せん妄看護ケア実践の推進
せん妄に対する介入はガイドラインなどで示されています。せん妄は複数の要因が考えられているが、論文によって異なっていたり、同じ因子であっても基準値が異なるものがあります。 看護師がせん妄の評価ツールを用いていることは、電子カルテの記録から確認されましたが、ケアを実践したという記録は少なく、ケアの実践に難渋している様子がありました。 看護師に対するアンケート調査により、せん妄の評価ツールを用いるものの、活用しきれないという声がありました。 理由として、一般的に言われる介入方法で、せん妄症状が軽減していることを実感できないため、患者にとって適切な介入かが分からないというものが多くありました。 そこで、可能な範囲でせん妄に至るメカニズムを考えられるよう、先行研究のせん妄要因に基準値を加えたチェックリストを作成し、運用しました。 患者への看護介入は、複数の看護師が関わるため、チェックリストの該当項目の抽出や、抽出された要因に対するケアを、複数人で話し合って決めるという場を設けました。 話し合いの場では、プロジェクトメンバーがファシリテーションを行いました。 ガニエの学習成果の5分類を用いて、看護師によってケア実践がなされているかを記録から評価しました。プロジェクト前後で5項目のうち3項目についての記録は行われるようになりました。 残りの2項目であるケアの実践結果と、次回の計画立案については今後の課題となりました。 この取り組みを日本赤十字医学会総会で発表しました。