野原 恵祐
dhyāna ध्यान
本作品は、瞑想を行う人間の脳波データを元にしたパフォーマンスである。 瞑想をするパフォーマーは自身の脳波の状態を足裏から電気刺激としてフィ ードバックを受け、自己との対話を行う。 リアルタイムで計測される脳波の情報を元に、その波形が乱れて入ればノイズ が、落ち着いていれば穏やかなサウンドが生成される。乱れている状態に発生 するノイズの音の波形は、足裏に装着した筋電アクチュエータへと信号が変換 され、自身の脳波の乱れを受ける。 さらに、脳波の情報はビジュアライズとしても反映され、完全な瞑想状態を目 指して、円形を描いていく。鑑賞者は、その映像の動きと音の変化によって、パ フォーマーの瞑想状態をリアルタイムで体感することとなる。 脳波を外部刺激として人間の身体にフィードバックループさせることにより、人 間の精神状態の微細な変化とその不安定さを、より際立たせて体感することを 試みた。