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Wantedly Journal | 仕事でココロオドルってなんだろう?

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サッカーアパレルに留まらず異業種にも挑戦する、「gol.」の自由な発想とメンタリティ

「サッカー」を軸に、食事・音楽・服など様々なカルチャーを巻き込み、既存の枠にとらわれない仕事を創り出す

株式会社ゴルジャパン

2015/11/24

今回お話を伺ったのは、Jリーグのクラブなどにユニフォームを提供するなど、サッカーをメインに扱う新進気鋭のスポーツアパレル、『gol.』。2002年に行われたサッカー日韓W杯。そのビッグイベントの前年に『gol.』を創設し、現在はJリーグの「FC岐阜」や「SC相模原」のオフィシャルサプライヤーを務めています。またグラスルーツレベルのサッカーやフットサルで使用可能なユニフォームをカスタムオーダーできるシステムを導入したり、異業種であるサッカー&カフェを運営したりと、サッカーファンにとっては一目置かれている存在です。

そんな企業の中で多彩なアイデアを実現している南部元さん(カバー写真 左)、有坂哲さん(カバー写真 中)、鶴見紀一さん(カバー写真 右)に、『gol.』の “自由かつ大胆なスタイル” を語っていただきました。

場所は、多くの人でにぎわう竹下通りや明治通りから少し離れた裏原宿。落ち着いた雰囲気が漂う路地の途中に、ところ狭しとサッカー関連の雑貨やアパレルが並ぶカフェ『mf』があります。店内に並ぶアパレル以外にも、サッカーファンにとっては垂涎のものが多く展示されています。例えば、壁面に描かれた『キャプテン翼』に登場するロベルト本郷の絵。

これは作者の高橋陽一氏が訪れ、直筆サインとともに描かれたものだそうです。

そして化粧室の扉には、現在ジュビロ磐田の監督を務める名波浩氏、サッカー指導者の福西崇史氏や戸田和幸氏など、日本サッカーを沸かせた多くの人々のサインが書かれています。

『gol.』のディレクターを務める南部さんは、屈託のない顔で話し始めました。

「けっこうな頻度で、元日本代表だった方とか、驚くような人が来ますよ(笑)」

『mf』のショップディレクターを務める有坂さんもこう続けます。

「普通にプライベートでフラっと来て使ってくれるっていうのが一番うれしいですよね」

サッカーを愛する人に愛されるカフェ、そしてアパレルブランドはどのような人々が作り上げているのでしょうか?

まずは、カフェ『mf』を経営する有坂さんの経歴です。

「私は元々、サッカーコーチをしていました」

という有坂さん。サッカーを教える立場からカフェ経営という全くの異業種への転職は、一見すると大きな挑戦に思えます。しかし有坂さん自身、ふたつの仕事にリンクしたものを感じていたそうです。

「異業種で経験値がないっていうところでは当然、大変なことはいっぱいありました。でもその中で表現したいこと、やりたいことを実際にやれているんです。まず、うちの場合はカフェの中にサッカー系の洋服や雑貨がある、ということで他のカフェと立ち位置が違うと思います」

「そして私自身、人に関わることがすごく好きで、それが、サッカーを教えるという形で関わるのか、飲食店経営やそこで行うイベントで関わるのか、という意味では、大きな違いを感じなかったんですよね」

また、南部さんは、『mf』やブランドの立ち位置を含めてこう話します。

「企業として、サッカーに関わるものは全部網羅していきたい、というのが『gol.』の目指すゴール地点ですね。そういった意味では、サッカーは世界共通のスポーツでプレーしている方が多いですし、食事・音楽・服・雑貨……ありとあらゆるものを集めていくうちに『mf』というカフェになっていったイメージです」

実際、サッカーを愛する人や選手に話を聞くと、健康的な食事や自身を高めるためのお気に入りの音楽、そして自身を表現するファッションに興味を強く持つ人が多いです。『gol.』や『mf』は、サッカーを中心にして様々なカルチャーを巻き込んでいこうとしています。

例えば、トークイベントがそのひとつです。

『mf』で定期的に開催しているトークイベント「トーキング・アバウト・フットボール」の登壇者は、解説者の藤田俊哉氏、SC相模原で会長を務める望月重良氏といった、元日本代表選手が来たかと思えば、鹿島アントラーズでチームドクターを務める関純氏といった通好みの人選をしています。また、サッカー好きのミュージシャンがミニライブも開催することもあるそうです。

「ゲストによって話してもらう内容ってその都度、変わりますね。でも一貫している点があって、僕らが “面白そうだな、話を聞いてみたいな” という人を選んでいます。話が聞きたいんだけど、講演会みたいなところでカッチリ話を聞くのもね……ということで。こういうフランクな空間でお酒を飲みながらお客さんも聞いているんで、すごくアットホームな雰囲気でやれているんじゃないかなと思います」

「そもそもイベントのタイトル自体が『トーキング・アバウト・フットボール』っていう名前なんで、フットボールに関係することだったらなんでもしゃべってくれよ、って感じなんです(笑)。サッカーはボール一つさえあればできる、自由な部分が多いスポーツですよね。私たちはその自由な感じを色濃く表現したいと考えています」

『gol.』の企業イメージを凝縮したような空間が『mf』。そして企業のスタート地点であるアパレルの話を聞くうちに、働くみなさんのメンタリティも垣間見えてきました。

入社して驚いたフットワークの軽さ

続いて登場するのは、営業担当として全国のスポーツショップ、そしてJリーグなどのクラブに提供しているユニホームの意見交換を担当している鶴見さん。前職は同業他社に所属していたそうですが、当時から『gol.』の面白さを感じていたのだそう。

「外から見ていると、商品のデザインや形だけじゃなくて、仕掛けているイベントを見て『こんな面白いことをやっているんだ』という気持ちがすごくあって。それがきっかけで、入社を決めたんです。いざ、入社して中に入ってみたら、外から見ていた以上に『こんなこともやっているんだ!』って驚く毎日です(笑)」

「決められたことがない、と言ったら少し語弊があるかもしれませんが、フットワークが非常に軽く、自由な発想で考えて行動することができます。それは、他のメーカーにはない特徴だと思います」

他のメーカーにないアイデアと行動。有坂さんが飛び込んだ『mf』という異業種のカフェ参入もまさにそれに当たります。

チームを盛り上げるためだったら、北アルプスにも登頂

他のメーカーにないアイデアと行動。たとえばどんなエピソードが有るのだろうかと気になり、南部さんに聞いてみました。

「FC岐阜さんの事例が面白いかもしれません。チーム自体、最初の頃は、地域の中で認知度が低かったんです。だから、こっちも盛り上げようと必死で、とにかく企画を考えたんです。その中の一つが『TOP OF 北アルプス登頂』という企画です」

「岐阜県って長野県、富山県が隣県なんですが、県境に北アルプスがありますよね? その当時J2に『松本山雅』、『カターレ富山』というクラブが所属していたので、『TOP OF 北アルプス』っていうダービーマッチをやっていたんです」

「それを盛り上げるために『じゃあ必勝祈願として、gol.社員が北アルプス登っちゃおう!』ってノリで企画を出して。誰が登ったかですか? 『じゃあサプライヤー代表として、僕が登ってきます』って感じで登りました(笑)」

これが登頂に成功したときのブログ記事です。

gol.マンが「TOP OF 北アルプス」 西穂高岳に登頂! FC岐阜応援マスコット ミナモも応援に駆けつける。

「この企画だけでなくて、僕たちは岐阜に対して縁もゆかりもない企業だったので、ホントに何もわからないから、サポーターをはじめとした方々と関わりたいと思ったんです。サポーターの皆さんと仲良くなって、岐阜という土地柄を教えてもらおう!と」

「実際、色々なアイデアをやっていくうちに、サポーターの方からも『こういうアイデアあるからイベントやってよ!』と提案されるようになりましたし、僕たちが『じゃあやります!』と実行に移すことで、いい関係が築き上げられているんです」

“楽しそうならとにかくやってみよう”という姿勢

鶴見さんも、こんな体験談を語ってくれました。

「……正直に言えば、アイデアを形にするのは大変ですよね(笑)。でも、大変なことだからこそ楽しいという感覚があるんです。J2のホーム開幕戦で物販ブースを設営して販売したり、『mf』の出張店舗を出したりする機会があったんですが、みんなで車で岐阜まで行くこと自体が楽しいんですよね。一人ひとりが積極的に関わっている感覚が、やりがいなんだと思います」

それを受けて有坂さんは冗談めかしながら、チームワークについて話してくれました。

「だから、心身ともに体力があるに越したことはないですね(笑)。もちろん女性スタッフがいてくれると、細やかな作業で貢献してくれます。逆に僕たち男性がダイナミックな仕事を請け負う。まるで、チームのような役割分担で働いています」

サッカーに対する情熱と、能動的な姿勢

最後に、『gol.』が求める人物像について問いかけると、表現は違えど一致したものがありました。

「おそらく社風的には『gol.に入ってこういうことをやりたいんだ!』っていうものをハッキリと持っている人がマッチするかなと思います」(有坂さん)

「そうですね。そして自分から『これがやりたい』っていうのが会社の利益につながることが多いですね。そういうのをやれる環境ではあります。全部が全部できるわけではないんですけど、『とりあえずやってみようか!』っていうのはほかの会社に比べたら高いんじゃないかな? と思います」(鶴見さん)

「現在、広報やデザイナー、カフェスタッフなどの応募をしていますが、業務に関してはその分野だけにとどまらず取り組んでもらえればと思います。例えばですけど、gol.発信のメディアを作りたい! というのも全然アリです。新しいことにチャレンジすることに対して、ハードルがめちゃくちゃ低くて、そのチャレンジ自体がものすごく評価されるんですよね。その姿勢が必要ですね。自分たちが興味あることを突きつめていければ楽しいですよね」(南部さん)

南部さんがふと口にした一言が、『gol.』を象徴しているかもしれません。

「仕事をしていて、飽きないですよ!」

サッカーに欠かせない自由な発想と、それを行動に移すエネルギー。サッカーを軸に様々な業種展開を考えている『gol.』は、今後も新たなアイデアを発信していくのだろうなと感じました。


Interviewee Profiles

南部 元
エンジニア, 株式会社ゴルジャパン
場所を転々としながら、いろんな事をやっています!
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有坂 哲
ショップディレクター, MF Tokyo
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鶴見 紀一
gol.
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