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Wantedly Journal | 仕事でココロオドルってなんだろう?

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「誰よりも自分がわくわく感を持って仕事にのぞめるか」あの話題の広告が作られる現場を垣間見た

日清食品ホールディングス宣伝部の舞台裏。時代とニーズに応じて自在に姿を変える「宣伝」のあり方とは

2017/05/26

カップヌードル、日清焼そば U.F.O.、日清のどん兵衛、日清 Spa 王…誰もが一度は食べたことがあるであろうこれらの商品は、いずれも日清食品が生み出したものです。日清食品は、1958年に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売して以来、ヒット商品を連発し、業界を牽引してきました。

日清食品といえば、ユニークな宣伝活動でも話題を集め、広告業界からも一目置かれる存在。最近では藤岡弘、さんと中川大志さんを起用したギャグ要素満載の日清焼そば U.F.O.の CM や、バズ要素をこれでもかというほど詰め込み、最終的には「変わらずに愛される商品でありたい」とメッセージするチキンラーメンの Web 動画『侍ドローン猫アイドル神業ピタゴラ閲覧注意爆速すぎる女子高生』など、“ツッコミ要素を残して消費者のリアクションを促す”という手法が印象的です。

今回は、そんなヒット広告を連発する日清食品でどのような方が活躍しているのかを探るべく、日清食品ホールディングスの宣伝部で係長を務める東 鶴千代(ひがし つるちよ)さんの元を訪れました。

デジタル×宣伝

東さんは 1998 年、新卒で日清食品に入社。大阪で営業を 4 年間経験したのち、東京の宣伝部へ抜擢されました。宣伝部で 6 年間経験を積んだあとは、社内公募でマーケティング部に。こちらでも 6 年ほど従事し、2014 年に再び宣伝部へと戻られたそうです。

−キャリアのスタートは営業からだったということなのですが、御社ではみなさん一度は営業を経験されるのでしょうか?

「多くの場合、そうですね。やはりメーカーですので、お客様に一番近い場所での仕事を経験しておくことが重要なります。でも、営業から宣伝部に行くことになった時は、まさに青天の霹靂(へきれき)でした(笑)」

−宣伝部も、そのあと行かれたマーケティング部も、花形の部署なんですか?

「宣伝やマーケティングの仕事に一度は関わってみたいと思う社員は多いと思います。私自身は、弊社独自の『ブランド・マネージャー制度』に惹かれてマーケティング部への異動を申し出ました。各ブランドにはブランド・マネージャーがいるのですが、ブランドの社長とも言うべき権限と責任をもって舵をとっていくのが『ブランド・マネージャー制度』です。マーケティング部は担当ブランドによって複数のグループに分かれているのですが、「カップヌードルをぶっつぶせ!」がスローガンになっているように、その関係は社内でありながらも完全な “ライバル同士” です。いかにより良い製品を作り、いかに面白いプロモーションをおこなうのか、日々しのぎを削っています。

自身でもブランド・マネージャーを経験させてもらい、非常に勉強になりましたが、当時はとにかく心身ともにしんどかったですね(笑)」

−マーケティング部を経て、また宣伝部に戻ってきたということですが、現在宣伝部ではどのようなことを担当されているのでしょうか。

「弊社の宣伝部の仕事は、広告枠の買い付け等をおこなう「媒体」と、各ブランドのプロモーションを担当する「制作」の大きく 2 つに分かれています。私は「制作」で、主に『日清焼そば U.F.O.』『日清カレーメシ』『ぶっこみ飯』などのブランドプロモーションを担当しています。また、SNSやウェブサイトなどのネットメディアに関しては、宣伝部内の統括責任者を務めています」

−ネットメディアを扱うということなのですが、以前宣伝部にいらしたのは 6、7 年前ですよね。当時とはだいぶ勝手が変わったのではないでしょうか?

「まったく違いますね。当時、ガラケーが現役で、スマートフォンはまだ普及途中。モバイルでのネット利用は i-mode が主流で、広告もウェブサイトのバナーがメインという時代でした」

「そして私が宣伝部に戻ってきたのは、iPhoneを代表とするスマートフォンが普及し、Facebook や Twitter などが流行して、その後に LINE が来て...というタイミングで、各企業の宣伝プロモーションの形が一気に変わり、ようやくひと段落ついたかな...?というくらいの時期でした。一番変わっていたのは、お客様とのコミュニケーション方法でしょうか。それまではブランドサイトなど自社で作ったプラットフォームに人を呼び込んでコミュニケーションしていたんですが、コミュニケーションの中心が SNS へと移行し、お客様との接点も自然と変わっていきました」

−そういった変化に戸惑いはありませんでしたか。

「個人的には SNS などとは無縁の生活だったので、宣伝部に戻ることになったのを機に一通り試すところから始めました。はやっているものや普及しているものの何がおもしろいのか、なぜ利用されているのかを自分なりに解釈して......自分がハマっていないからこそ、一歩引いて見ることができたと思います。

最近、プライベートでは意識的に使わないようにしています(笑)。仕事中はスマートフォンで “いつでも繋がる” 世界に晒されていますので、休みの日はメールなども基本的には見ないようにして、仕事はシャットダウン。今は子どもと一緒に遊んで、その成長の早さを見るのが楽しいです」

−なるほど。流行の移り変わりが速い今、たくさんの情報の中から流行をキャッチアップするのも大変ですよね。

「話題になったニュースや新製品などがあったらすぐにチェックするとか、それくらいはもう業務の一環と捉えておこなっています。Facebook や Twitter のタイムラインを見ていると、つながっている誰かがはやりのものをシェアしてくれている、なんてこともありますから、いつどんなところでもアンテナを張っておくことは欠かせませんね」

−流行をチェックする中で、「これはハマった!」というものはありますか?

「ハマったと言えるかはわかりませんが、ある時期にクイズ RPG ジャンルのアプリゲームを長く続けていました。もちろん、ポケモンGO やスーパーマリオランといった話題のアプリも一通りやっています。一方で、美少女やアイドル系の育成ゲームアプリは、ジェネレーションギャップなのか、私としてはどうしてもついていけないジャンルですね...。

とはいえ、自分が好きになれなかったものに関してはなぜ好きになれなかったのか、飽きてしまった場合はなぜ飽きてしまったのか、という点を客観的に分析することで仕事に役立てています。また、どういう方法で課金を促しているのか、どういうビジネスモデルになっているのかといった、ビジネスの側面についても考察し、理解するようになりましたね。最近ですと VR 技術に関心があって、今後どうなっていくのか楽しみに観察しています」

ヒットを左右する鍵は「すすめるパワー」

世の中の流れを汲み取ったうえで、自社の商品を効果的にアピールし、売り上げをあげていかなくてはならない宣伝の仕事。数字を大きく左右する仕事ゆえに、責任やプレッシャーも大きいであろうことは容易に想像がつきます。

−常に結果を求められる環境で、つらくはありませんか?

「“仕事”というふうに意識してしまうと、なんでもしんどいですよね。デジタルの世界は動向が読みづらいだけに、新しい施策をやろうにも結果がまったく予測できません。そこはもう、一喜一憂しないようにと割り切っています。

でも、次々と新しいものと関われる仕事はやはり楽しいです。自分が学生の時代にはなかったものがどんどん現れるので、飽きません。これは次のプロモーションで使ってみたいなとか、注目しておこうとか、常に考えている状態です。ある意味、仕事半分遊び半分という感じなんですかね」

−話題になった施策と、そうでもなかった施策には、あとから法則のようなものが見つかったりしないのでしょうか?

「結果を振り返ってみると、自分がわくわくしながらやっていたものは話題に結びつくことが多かったと感じています。

今は SNS の時代で、誰もが発信者になれますよね。ひとりひとりの、『誰かに言いたい、良さを知ってもらいたい』という“すすめるパワー”が RT やシェアなどに繋がり、その熱量が伝播していくわけです。だからこそ、他の誰よりも自分自身が『これすごいでしょ!』という“わくわく感”を持てるかどうか。そうでないと、人の心を動かすことは難しいです」

−日清食品さんのプロモーションは、お笑い要素が強いですよね。思わず笑ってしまうシーンが必ずあって、友だちにも見せたくなります。

「ツッコミを入れられる余地があるかどうかを、いつも気にしています。こちらが出したものに対して、お客様が何かを加えて楽しんでくれるというのは理想的な流れですね。弊社は関西発祥の会社なので、お笑いに走る傾向にあるのかもしれません(笑)。

ただ、あくまでもゴールはウケることではなく、製品を買っていただくことなので、当然ながらただ笑えれば良いというわけではありません。社内でも、広告会社との間でも、しっかり議論をおこない、段階を踏んで作り込んでいくことが必須です。そうしないと、独りよがりなものになってしまいます」

−戦略のキモはどこにあるのでしょうか。

「本質は、世の中の流れを汲んだプロモーションをできるかということだと思います。弊社は、1993 年にカップヌードルの TVCM『hungry?』シリーズがカンヌ国際広告映画祭でグランプリを受賞し、業界の注目を集めたのですが、ではこの『hungry?』シリーズをずっとやり続ければ良いのかというとそうではありません。世の中の流れを見て、コミュニケーションの手法を変えたり、ブランドイメージそのものも新しくしていく必要があると考えています」

あまりに有名で、日常に溶け込み切っている日清の商品の数々。しかし実際は、世の中の流れやニーズを汲み取り少しずつ変化し続けてきたからこそ、私たちにとって「ずっと身近なもの」であり続けてきたのだということを知りました。

後編では、東さんの係長としての仕事や、長く日清食品に勤める過程で変化してきた仕事観について取り上げます。

後編▶「自分は何者になるのか」仕事と、その先にあるものを考える

Interviewee Profiles

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東 鶴千代(ひがし つるちよ)
1998年日清食品株式会社入社。営業、宣伝、マーケティング部を経て、2014年9月より再び宣伝業務に従事。現在は日清食品におけるWEB(ブランドサイト、ソーシャルメディア、WEBプロモーション等)の統括責任者。 また日清焼そばU.F.O.と日清カレーメシのブランドプロモーション担当も兼務。

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