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Wantedly Journal | 仕事でココロオドルってなんだろう?

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10分で感動を。富士そばの店舗運営はナンバーワンではなく「地元オンリーワン」を目指すこと

「喜びと感動をつくりたい」“本気”が動かす、人のココロ

2017/08/25

首都圏を中心に「富士そば」を展開するダイタンイート株式会社の安部 茂人(あべ しげと)さんと小平店長の水町 元大(みずまち げんた)さんにお話を伺っています。

前編では、そのユニークさでしばしば話題を集める、店舗限定オリジナルメニューの開発秘話についてお話いただきました。

前編▶富士そばの限定メニューは店舗ごとに生まれる―付加価値をつくり、地元で愛される店になるために

後編では、スタッフを率いる存在である「店長」の在るべき姿についてや、飲食業に従事されるうえでの仕事観など伺っていきます。

それぞれの「店長」像

津田沼店の立ち上げから店長を務め、売り上げトップを争う繁盛店へと導き、現在は係長として5つの店舗をマネージメントしている安部さん。そして、津田沼店へアルバイト入社してから、安部さんの背中を追うように正社員へとステップアップし、現在は小平店の店長を任されるまでになった水町さん。ともに「店長」を経験されているおふたりですが、おふたりの考える理想の店長像とはどのようなものなのでしょうか。

水町さん「アルバイトのときから、仕事自体は本当に大変で。それでもいやにならなかったのは、やっぱり安部さんのリーダーシップがあったからだと思います」

安部さん「私は、上司・部下という関係ではなく、同じ釜の飯を食べる仲間だと思っていますね。オンオフのメリハリをつけて、仕事中は厳しくしましたが、仕事が終わればそれこそ毎日『飲みにいこうか?』ってみんなに声をかけていました。それから、やっぱり一番上の位の人が偉そうにしているとみんなストレスを発散できないかもと思い、自分から先陣を切ってバンバン飲んだりもしていましたね。自分がバカにならないと、みんなもバカになれない。感謝をこめて(笑)」

水町さん「安部さんは包容力があるというか、これならみんながついていくよなっていう、“理想の店長” という感じでした。でも私たち2人の性格は、接するとわかるのですが正反対なんですよね。自分はお酒をあまり飲みませんし(笑)。だから、安部さんと同じことをするのがいいのかというとそうじゃないと思っていて。自分の特性も考えながら、自分なりの店長像というものを今は模索しています。ただ、私たちも過程は違えど目指すゴールは同じなんですけどね」

安部さん「彼は優しいし、私みたいにガツガツとやるのではなく、うまく楽しい職場つくりができるタイプかなと感じています」

水町さん「それから仕事が続けられた理由のひとつとして、給料以外に賞金がもらえる制度があったというのもあります」

安部さん「売り上げと利益を伸ばし、維持した店舗を対象に支給されるものです。頑張ってくれるみんなに恩返しするためにも、しっかり数字を追うことが店長としての仕事でもありますね」

−水町さんは、アルバイトから店長になって、変わったことはありますか

水町さん「僕自身はそんなに変わっていないかなと思うのですが、周りは変わったというのでそうなのかもしれません」

安部さん「頼もしくなりましたよ。アルバイトだったときは、悔し涙を流していたこともありましたけど、立派になったなあって」

−泣いていたというのは…?

水町さん「やっぱり人気店ということもあり、忙しい職場だったので、自分が思うように動けないことが悔しくて…」

安部さん「超繁忙店でしたからね。逆に津田沼店を経験しているのであれば、どの店をやっても大丈夫です(笑)。辞めようと思えばいつでもギブアップできるんですけど、今の彼のような姿になるためには “継続する力” は必要だと思いますね。いつも勉強ですね」

“本気”が実現した低迷店舗のV字回復

津田沼店以来、ずっとペアで担当店舗を移ってきたというおふたり。これまでに印象的だったエピソードを尋ねると、そのとき一番経営の苦しかった店舗に配属されたエピソードを話してくださいました。

安部さん「会社から『頼むぞ』と言われて水町店長と一緒に配属されたのですが、嬉しいことに受け持った初月から利益約10倍増を達成できまして」

水町さん「そのときにスタッフさんから『水町さんが店長で良かった』と言ってもらえて、それがとても思い出深いです」

−漫画の救世主みたいですね!どのようにして成し遂げたのですか

安部さん「お客さまが入店してから退店までの時間は、平均で10分くらいなんです。その短時間でいかに心を掴むことができるかを大切にしています。元気よく、そして誠心誠意『いらっしゃいませ』『ありがとうございました』『またお越しください』をお伝えするんです。成功の方法というのはわかりませんが、お客さまに対しても、スタッフさんや取引先の方々に対しても、本気で向き合うことを常に大切にしています。そういう信念を貫き通して結果が出たので、信じてよかったなと」

水町さん「僕はとにかく、頑張ってくれているスタッフに恩返しがしたいという思いでした。自分自身もそうですが、頑張ったぶん報われれば、モチベーションもあがりますし。結果がちゃんとでて社内で表彰されると、みんなも生き生きとして、それが嬉しかったですね」

安部さん「私たちが店舗に入ったとき、スタッフの入れ替えは一切しませんでした。今まで働いていたスタッフでこの街の “オンリーワン” を目指そうと伝えたんです。たとえば牛丼店とハンバーガーショップとそば屋の中でナンバーワンを決めることは難しいですが、『この街で一番活気のあるオンリーワンの店』になることは努力次第だと思っています。『昨日は仕事でいやなことあって、出社するのが気が重かったけど、今朝ここで朝食を食べたら元気になったよ』と言ってくださるお客さまが実際にいらっしゃいました。だから本気で向き合えば、伝わるんだって思いましたね」

−「本気で向き合う」という部分が大事なポイントなのですね。

安部さん「仕事は本気じゃないと、伝わらないんですよ。だからクレームも本気で対応します。最初は怒っていたお客様も最後はほぼ100%、『そこまでやってくれるなら』とおっしゃってくださり、良い感情に持っていけています。それはやっぱり本気が導くものだと思うんです。

それから、クレーム以上に怖いのは『無言のクレーム』です。直接何かを言ってくるわけではないけれど、『もう来ない』と思われてしまうこと。でも極端な話、退店直前に心から『ありがとうございました』『また起こしください』の言葉をかけることができたなら、その気持ちも変えられるかもしれないじゃないですか。本気というのはそういうことだと思っています」

情熱の源も、それぞれ

−お二人とも矜持を持ってお仕事に打ち込まれているのが伝わってきます。その情熱の源はどこにあるのでしょうか

安部さん「会社の教訓として、福沢諭吉の『7つの教え』が共有されているのですが、その中で一番好きな言葉に『世の中で一番さみしい事はする仕事のないことです』というものがあって。日々仕事があることに感謝していますし、そもそも、やりたいことじゃないと続けられませんから。彼も涙を流しながら続けてこられたのは、総合的に楽しかったからじゃないですか」

水町さん「そうですね。仕事だからきついのは当たり前ですし、もちろん他の仕事でもきつい面はあると思いますし。あくまでこの仕事できついのは体力的なものであって、気持ちの面ではやりがいは大きいので、感謝しながら働けていますね」

−とは言え、つらいことはどのように乗り越えるのですか。

安部さん「成功のための肥やしだなと考えるようにしています。雪が積もっているとき、種は芽を出せないですよね。でも下に根を張って、春になったら花を咲かせようとしている。そういう準備期間なんだなと」

水町さん「僕は元々の性格があるので、あんまり外的要因でつらくなることとかはないんですが、自分の中で『悔しい』という気持ちに悩むことはあります。とは言っても、現状かなりの権限を持たせてもらっていますし、やりたいことはやらせてくれる上司なので、そこはしっかり挑戦できています。あとは自分も含めてですが、スタッフさんのストレスもなるべく溜まらないような環境を目指したいですね」

安部さん「あと、弊社は昇進のシステムが変わっているので、それもモチベーションにつながっています。というのも、社員は主任、店長、本社勤務係長、常務取締役の4段階しかないんですよ。大手の会社ですと、課長や部長の姿を見ていると5年か10年後の自分の姿が想像できたりすると思うのですが、うちは完全に実力主義です。実際、水町くんは彼よりもっと社歴の長い店長たちがいるなかで、新店の店長に抜擢されていますから。結果をだせていれば社歴関係なくきちんと評価され、役員まで目指せるんですよ。この制度を作ってくださった、会長や社長に感謝ですね(笑)」

−そうしたら、ライバルも多いのですね。

安部さん「本社の中の同じポジションの人はみんなライバルですよ(笑)。誰が次期店長(新店長)か次期係長になるか、仲間同士で切磋琢磨しています。あとは会社の新年会や納涼会で、その年にグループで著しく貢献した人や店舗を表彰するという制度もあります。ヒットメニューを出した人や、Facebookのいいね!が一番多い投稿を書いたなど…内容はその年ごとに変わったりもしますが、毎年いろいろな賞が表彰されるんです。ここでも誰が、どの店舗が表彰されるかは気になりますね(笑)」

相手が喜ぶと、自分も嬉しい

−ご自身にとって仕事とはなんですか。

安部さん「みなさんに喜びと感動を与えることですね。前提として、おいしいものを出して、お金をいただくという仕事としての責任がありますが、商品代金には真心とかおもてなしとか目に見えない一番大事なものも含まれていると思うんです。5〜10分という短い時間で感動を与えられるように、そしてお客さまから『ありがとうね。いつも来ているのはこういう理由なのよ』と言っていただけることがなによりのやりがいです」

水町さん「僕も同じ想いです。お客さまも、受け持ったスタッフさんにも、満足して喜んでもらえるようにできることをやる。喜んでもらえたら嬉しいじゃないですか、自分も」

安部さん「彼はすごく面倒見がいいんですよ。繁忙期前などには『決起集会やりましょう!』とみんなに誘いかけたりしていますから」

水町さん「元々世話好きなタイプなので、それがたまたま今の仕事に向いていたんだろうなと思います」

これまで私は、ファーストフードは安価な代わりにサービスを極限まで減らすビジネスモデルなのだという認識でいました。ですが、逆に「10分という短時間でどんなおもてなしができるか」を突き詰めているおふたりの姿を見て、数字では計算できない部分が繁盛店をつくっているのだと知りました。

そして、1時間という短いインタビューの中でもうかがい知ることができるおふたりの仲の良さ。「自分のやり方を確立しつつ、相手を認め尊重する」というスタイルが築いてきた信頼関係を武器に、この先も “最強タッグ” としてたくさんの繁盛店を生み出していくのだろうと感じました。

Interviewee Profiles

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安部茂人(あべ しげと)
ダイタンイート株式会社 係長
2013年4月に富士そば吉祥寺井の頭通り店オープニングアルバイトとして入社。5月に富士そば川崎東口店新店の社員主任に昇格。6月に富士そば荻窪北口店店長に昇格。2014年11月に富士そば津田沼店新店の店長を経て、 2015年9月に富士そば本社(ダイタンイート株式会社)係長に昇格し、現在に至る。 出身は、神奈川県川崎市元住吉。趣味は、スポーツ全般(野球・サーフィン・ゴルフ)・読書・お寺巡り・旅行など。 富士そばの良いところは、毎日楽しく働け、楽しいから毎日やる気に満ちて仕事を続けられること。座右の銘は、資生産業即沸法と日々是好日。
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水町元大(みずまち げんた)
富士そば小平店店長
2014年11月に富士そば津田沼店にアルバイトとして入社。2016年3月、富士そば津田沼店社員主任に昇格。1ヶ月後の2016年4月、富士そば綱島店店長に昇格。その後、富士そば吉祥寺サンロード店の店長を勤めたあと、2017年5月異例のスピードで富士そば小平店新店店長に昇格し現在に至る。出身は、韓国大田(テジョン)、育ちは久留米。趣味は、漫画とアニメと飲み会。富士そばの良いところは、横の繋がりが強く、迷っているときやわからないことなど、年齢や先輩後輩関係なくアドバイスをもらったり相談ができること。

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