1
/
5

世界初となる太陽光発電システムの次世代監視技術PPLC®-PVのメガソーラーでの実証に成功

編集

110 views

ABOUT

100年続く太陽光発電の実現を目指す、ヒラソル・エナジー株式会社(東京都文京区、代表取締役:李 旻、以下、当社)は、世界初(※当社調べ)となるメガソーラー規模での太陽光発電システムの次世代監視技術PPLC®-PVの実証実験を実施しました。PPLC®センサーを設置したパネルの枚数は、山梨県の米倉山実証試験用太陽光発電所では3,960枚、福島県の福島空港メガソーラーでは3,600枚に上ります。設置後は故障パネルを即時に検知・特定するなど、メガソーラーにおいても運用コストを大幅に削減できることが確認されました。

【概要】
●当社は、メガソーラーで世界初のPPLC®-PV技術の実証実験に成功しました。PPLC®センサーにより、パネルを1枚単位で遠隔監視し、異常・劣化を即座に検知します。
●PPLC®-PV技術により、故障パネルの即時検知と特定が可能になります。中小からメガソーラーまで規模を問わず運用コストを大幅に削減、太陽光発電所の運営効率向上、ひいては、将来的に懸念されている発電所の放棄・廃棄の予防に貢献します。
●応用事例として、PPLC®-PV技術をリユースパネルの性能監視と品質担保に活用することもできます。今後はPPLC®-PV技術とリユースパネルの組み合わせによる、サステナブルで低コストな太陽光発電システムの構築も期待できます。

【背景】
日本の事業用太陽光発電所では、1MW未満の中小規模の発電所が件数ベースでは99%、容量ベースでは全体の半数程度を占めています。中小規模の発電所ではスケールメリットを享受できず、管理や修繕のコストパフォーマンスが悪くなる傾向があります。
また、オーナーの高齢化や厳しい経営環境により修繕を諦めるケースが散見され、今後の発電所の放棄・廃棄が懸念されています。
この課題に対しヒラソル・エナジーは、山梨県企業局や東京大学との共同研究事業を通じて得た発電性能評価と再生(リパワリング)の経験と実績から、今後の発電所の運営にはデジタル化による管理の効率化・コスト削減が必要だと考え、効率的な管理運営のための様々なソリューションを開発してきました。

【PPLC(R)-PVとは?】
PPLC®-PVは、ヒラソル・エナジーが東京大学とともに共同研究・開発してきた、電力線通信技術とIoTを活用した太陽光発電設備の保守管理技術です(特許取得済)。パネル1枚ごとにIoTセンサーを設置し、電圧や温度などのデータを電力線経由でゲートウェイに収集することで、大量パネルの稼働状態を一括で正確に把握できます。監視機器用の通信網を大規模に敷設する必要がなく、保守業務のコストと時間を大幅に縮小することができるので、メガソーラーでも活用できます。

今回のPPLC®-PV技術の実証実験は、山梨県甲府市にある米倉山実証試験用太陽光発電所(1MW)と福島県須賀川市にある福島空港メガソーラー(1MW)において実施しました。パネル1枚単位での監視・管理を実現するPPLC®センサーを、米倉山の太陽光発電所では2023年5月に3,960枚のパネルを対象に、福島空港メガソーラーでは2023年7月に3,600枚のパネルを対象に設置し、それぞれ一括で監視しています。

米倉山実証試験用太陽光発電所では、5月の設置完了後すぐに、目視では検出できない劣化パネル3枚を特定しました。また、ソーラーAIエンジン搭載クラウドと接続することでパネルの発電性能や劣化度合いを常時推定することや、洗浄効果を推定することもできました。従来の調査手法と比べて効率的にパネルの不具合を監視でき、無駄のないメンテナンスやタイムリーな修理・部品交換へ繋げることができます。実験を行った2つの発電所では複数のメーカーのパネルやパワーコンディショナーが設置されていますが、どのメーカー製の機器でも正確に監視できることが確認できました。

【PPLC®-PVの応用事例】
太陽光パネルは将来的に大量廃棄が予想され、最終処分場のひっ迫や不法投棄が懸念されるため、適切なリユース・リサイクルルートの構築が必要とされています。稼働済みパネルの性能を把握することが喫緊の課題であり、PPLC®-PV技術を活用することでリユース可能なパネルの選定が容易となります。併せて、設置後のリユースパネル1枚毎の品質担保も可能になります。PPLC®-PV技術とリユースパネルの組み合わせによって、サステナブルかつ低コストな太陽光発電システムの構築が可能となり、今後の活用に大きな期待が寄せられています。

本成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の支援で得られたものです。「課題設定型産業技術開発費助成金(新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業)」に採択され、助成を受けています。

今後も当社は100年続く太陽光発電の実現を目指し、デジタル化による管理の効率化とコスト削減を通じて太陽光発電所を適切に運営するとともに、太陽光発電所の放棄・廃棄に対する課題解決を図ってカーボンニュートラルの実現に貢献して参ります。