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近年、ゲーム業界で注目を集めるTA(テクニカル・アーティスト)。デザイナーとプログラマの橋渡し的な役割として、今やゲーム開発の現場に欠かせない存在となりつつあります。多くのゲーム会社でTA組織の整備や育成を始めており、ゲームフリークもその例外ではありません。
今回は、TAチームを率いるK.Tに、TAの仕事内容や求められるスキルについて話を聞きました。ゲームフリークならではの、TAのやりがいとはなんなのでしょうか。
近年、ゲーム業界で注目を集めるTA(テクニカル・アーティスト)。デザイナーとプログラマの橋渡し的な役割として、今やゲーム開発の現場に欠かせない存在となりつつあります。多くのゲーム会社でTA組織の整備や育成を始めており、ゲームフリークもその例外ではありません。
今回は、TAチームを率いるK.Tに、TAの仕事内容や求められるスキルについて話を聞きました。ゲームフリークならではの、TAのやりがいとはなんなのでしょうか。
── まずは具体的なTAの仕事内容を教えて下さい。
TAの仕事には主に次のようなものがあります。
・業務効率化ツールの開発・導入
・デザイナーとプログラマの橋渡し
・データの負荷対策
例えばツールの開発については、大きくパターンが2つ。一つはゲームを作っているメンバーから相談を受けるパターン。「この業務を手作業で行うのが大変だけど、どうにかならないかな」と相談されて、業務を自動化するようなツールを作ったりします。
もう一つは、自分たちで業務の非効率を見つけて「こんな仕組みで進めるのはどうですか」と提案するパターンです。基本的には前者のパターンが多いですね。
── デザイナーとプログラマの橋渡しに関してはいかがでしょう。
デザイナーとプログラマは、それぞれの自分たちの目線で話すので、コミュニケーションの齟齬が生まれることもあります。それをお互いに通じるように整理してつなげる仕事です。デザイナーは自分たちの表現したいものにこだわりますし、プログラマは論理的に開発できるかを考えるもの。良し悪しではなく、両者ともにより良いものを創りたいからこそ生まれる齟齬だと感じます。
デザイナーが表現したいものを、どうやって無理なく開発に落とし込むか、またはプログラマの意見をデザイナーに納得してもらうか、それぞれの視点に合わせて伝えなければなりません。テキストだけでなく、時には絵なども用いながら整理していきます。
── データの負荷対策についても聞かせてください。
例えばゲームキャラクターの動きや表現仕様を、一体一体変えると表現はリッチになりますが、その分大量のデータが必要になります。キャラクターが少ないゲームなら構いませんが、『ポケットモンスター』シリーズのように1,000体以上のキャラクターが存在する場合、キャラの表現の仕様を統一させてデータを節約しなければなりません。
どの会社でもデータの負荷対策は行っていますが、『ポケットモンスター』シリーズほどキャラクターの多いゲームはあまりないので、TAの腕の見せどころですね。デザイナーがこだわって作ったキャラデザインを、いかにデータの負荷対策をしながら実現するかはやりがいある仕事です。
── ところで、どうしてゲームフリークに入社し、どういう経緯でTAになったのでしょう。
私は新卒でPCのコンシューマーゲームの会社にデザイナーとして入社しました。最初の数年はイラストを描く仕事をしていたものの、途中からCGの作成や開発環境の整備が主な仕事に。当時はTAという名称ではなかったものの、近しい仕事をしていました。
10年ほど働いた後、新たな技術を磨きたいと思い転職した先がゲームフリークです。
── なぜゲームフリークに応募したのですか?
ゲームフリークは、私が好きだったゲームを作っていた会社だったためです。『ヨッシーのたまご』というパズルゲームがとても好きで、ゲームフリークを調べた時に「この会社が作っているのか」と知り応募しました。私がゲームにはまったきっかけでもあったので、私も誰かがゲームにはまるきっかけになるようなゲームタイトルを作りたいと思ったのです。
── TAとして入社したのですか?
入社する際、TAとしての役割は求められていましたが職種としてはデザイナーでした。今は本格的にTA職が社内で確立され、前述のようなデザイナーとプログラマの橋渡しや、仕事を効率化するためのツール開発を、3名のTAで行っています。
── K.TさんはデザイナーからTAになりましたが、プログラマからTAになるケースにもあるのでしょうか。
ゲーム業界にはプログラマ出身のTAもいますが、ゲームフリークにはいません。いま働いているメンバーは全員デザイナー出身のTAですね。経験してきた職種に応じて、得意な領域やアプローチ方法が異なりますが、ゲームフリークではデザイナー経験のあるTAの方をより積極的に採用していきたいと考えています。
── デザイナーからTAになる面白さを教えて下さい。
デザイナーには、一人で出来る仕事量という物理的な限界があります。どんなに自分が表現したいものがあっても、大規模なゲーム開発では全てのデザインを自分だけですることはできません。しかし、TAなら自分で直接デザインすることはありませんが、自分が考えた仕組みで自分の表現したいものを実現できます。
デザイナーでは体感できない面白さがTAにはありますね。
── TAはプログラマともコミュニケーションしますが、プログラミングの知識がどれくらい必要か教えて下さい。
最低限のコーディングの知識は必要ですが、大事なのは開発技術よりも、プログラマの仕事のプロセスを理解していること。プロセスが分かっていれば、プログラマが求めていることも分かるので。
仕事で開発をした経験は必ずしも必要ありませんが、趣味などでコーディングをしたくらいの経験はあるといいと思います。
── プログラマやデザインのスキルの他に求められるものはあるのでしょうか。
発信力やコミュニケーション能力も求められます。TAの主な仕事はデザイナーとプログラマの橋渡しなので、それぞれの求めているものを引き出し、他方に伝えるスキルが必要です。
ただし、ゲームフリークではチームで仕事をしているので、必ずしも高いコミュニケーション能力を全員に求めているわけではありません。コミュニケーションは得意なメンバーに任せ、ツールの開発など自分の得意分野で力を発揮していく働き方もあると思います。
── TAのやりがいについて教えて下さい。
私個人の意見ですが、裏で全体を調整している「黒幕」みたいな感覚が好きです。決して表舞台に立つことはありませんが、自分の考え方や理想の進め方にみんなが同意してくれて作品が完成していくのは見るのが嬉しいですね。
── 今のゲーム開発には、TAが欠かせない存在なんですね。
持論として、TAなしでゲームが作れるなら、それに越したことはないと思います。TAがいなくても、デザイナーとプログラマがスムーズにコミュニケーションをとれるのが理想ですから。
しかし、それが難しいのは、ゲーム作りの現場は毎回違う業務が発生するから。新しいことや新しい技術にチャレンジするにはTAのような橋渡し役が欠かせないのです。
── ゲームフリークならではのやりがいはありますか。
自由度が高く、自分で考えた仕組みを実現しやすいところです。ゲームフリークのTAチームは結成して日が浅いです。まだ、決まったツールやこうしなければならないというような、いわば「秘伝のタレ」的なノウハウは確立できていません。もしも新しく作りたいツールなどがあれば、いくらでも提案してもらえますしその際のしがらみも少ないですね。
── TAが組織化されているメリットがあれば教えてください。
上司もTAのため、仕事を評価してもらいやすいことです。TAという職種が確立するまでは、デザインチームの中にTA的な人がいましたが、あくまで職種はデザイナーでした。仕事を評価する上司もデザイナーですし、デザイナーとして評価されるのはデザインの質や量。プログラマとの橋渡し役をしていても、それを適切に評価してくれるとは限りませんでした。それをTAという職種が確立し、組織化することで適切な評価ができるようになったのです。
もしも、今の会社でデザイン以外の仕事を評価されていないという方にとっては、ゲームフリークはとても働きやすい環境だと思います。自分の仕事が評価されなければ、なかなかモチベーションが続きません。今の環境に不満を感じている方は、ぜひゲームフリークで頑張ってみてはいかがでしょうか。
── 最後に、K.TさんのTAとしての意気込みを聞かせください。
TAとしての私がいることで、ゲーム開発のコスト削減や期間短縮に貢献できればと思っています。コミュニケーションコストがなくなり、ツールによって仕事が効率化されれば、開発のトータルコストは下がるはず。もちろんTAの仕事がどれだけ影響したのか数字では出せませんし、他のメンバーが気づいて感謝してくれるか分かりません。
それでも私が関わった作品では、コミュニケーションがスムーズになり、結果的によりよい作品が出来上がるように努めています。誰かに感謝されるためにやる仕事ではありませんが、仕事仲間に「ありがとう」と言われた時は最高ですね。
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