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桜側から見た人間

先日、近所の桜並木に満開直前のそれらを撮りに行った。

晴天の祝日ということもあり、結構な人間がいるではないか。人混みが苦手な私は、終始、ファインダーの中に逃げ込んでいた。


この写真を撮って、カメラの液晶で確認したとき、「桜がこちらをのぞき込んでいるな」と思った。

しかし、実際にのぞき込んでいたのは紛れもなく私だ。失礼な話である。

そういえば、私が撮ろうと窓をのぞき込むときに限って、風で枝が良く揺れたものだ。

人間、特に日本人はレンズを向けられることが苦手だ。写真を愛する私ですら、突然知らない人からされたら少々ドキッとする。鎌倉に居たクロさん(野良猫)は平気だったな。

要するに、桜だって撮られることを快く思っていないのかもしれない。それは、根から花弁の先までの意志かもしれないし、おしべの花粉のうだけのエゴかもしれない。

もしくは、不思議に思っているのかもしれない。彼らにとってみれば、それは日常の営みに過ぎない。60年というソメイヨシノの寿命は、彼らにとっては2ヶ月程度であり、花を咲かすことは朝起きて顔を洗う程度のことなのかも。

なぜ、この生き物は他人の洗顔を撮るのだろう?

とね…


この花はどうだろう。

眼下に広がる、黄色い花たちをどう思っているのだろうか?(そもそも色を認識できるのかは別としてね)仲良くお話でもしてるのかな。

やたら、わぁ(私)のところだけ黄色いべさぁ

くらいにしか思っていないかもしれない。『おはなだぁ~』とはしゃぐ童のことなど気にも留めていないかも。いや、そんな意志を持っているだけでも素敵なのだけど。


そんなこんなで、日本人のこころには富士山と桜が住んでるなと思う。

一度、桜とお茶でもしたいな…

PS.以前書いたnoteの転載です。我ながら意味不明です。