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まるで魔法のようだった

 大学2年の必修の授業で生まれて初めてプログラミングを習い, PCの画面上に"Hello, world!"と画面に表示されたとき。

 それまでの授業はすべて座学で, あってもせいぜいWordやPowerPointの使い方など死ぬほど退屈なものだった。座学でただ知識を詰め込むだけの, 高校時代と何も変わらない, ただ言われことを覚え続ける毎日は退屈で苦痛なものでしかなかった。地方出身の世間知らずなガリ勉で, 浪人も経験してまで母校に入学してきた当初は, 大学に行けば何か事を成せるものと馬鹿正直に信じていた。おまけに部活動まで辞めてしまった当時の自分にとって, 大学というものに何一つ価値を見出せないでいた。数学の講義は恐ろしく退屈な上にそれが一体何の役に立つのか教授達は何も言わない。英語の最上級クラスはよく分からない宗教の話ばかりで, 大学受験で多少なりとも身につけた語彙力もリスニングも落ちるとこまで落ちた。正直, こんなところに来なければよかったと思った時もあった。大学に夢を見過ぎていたと思う。

 そんな中, 必修科目でC言語でプログラミングをする授業に出会えたとき, PC1台さえあれば何もないところから価値を生み出すことができることに本当に感動した。大学に来て初めて人や世の中の役に立つものを作り出すことができたと感じたし, 自分はこの科目に出会うために大学に来たのではないかとさえ思えた。それぐらい衝撃的だった。

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