紅まどんな(愛媛果試第28号):旬の果物百科
「紅まどんな」はJA全農えひめの登録商標で、正式な品種名は「愛媛果試第28号」、略称「愛果28号」と言います。 1990(平成2)年に愛媛県立果樹試験場(現:愛媛県農林水産研究所果樹研究センター)において、南香(三保早生×クレメンティン)(母)と天草(父) ...
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/benimadonna.htm
ストーリーという機能にどういったことをかけばいいのかわかりませんが、昨今マスク転売で賑わっているフリマサイトに関わる体験を書こうと思います。
私の実家は四国、愛媛県にあり祖父の代から細々と農園を営んでいます。そのみかん畑を父が引き継いで早6年、母がぽつりと「お金にならない」とこぼした。なんでも、傷の入ってしまったもの、大きさの足らないもの、色味が悪い…など、2級品ばかりで値がつかないのだそう。
実家の主力柑橘のひとつである「紅まどんな」という品種でいうと1級品が1キロあたり550円程度(サイズによっても異なる)なのに対して2級品は240円程度。倍以上の差があります。
なおこの数字は私の実家が販売している価格なので市場の参考にはなりません。(安いのでぜひ我が農園でご購入のほどよろしくお願いします)
(紅まどんな、みかんの概念がひっくり返るくらいみずみずしくて美味しいので全人類食べて欲しい)
1級品ならいざ知らず、半値の2級品で利益が出るはずもなく…農薬、肥料代の方が高いのではないかと言う始末。農協では買い取ってもらえず、農家ばかりが買い物にくる近所の産直市に出品するが、かなり安くなければ売れない。他県ではめったに手に入らない高級柑橘なのに…
その上かなり手数料を取られるらしい。上記の産直市でいえば15%、市場に出す以上仕方がないが農家にとっては嬉しくない。おかげでほとんど利益はない、それでも腐らすよりはマシだとか…。
そんな話を送ってもらったダンボールいっぱいの紅まどんなを食べながら聞いていた私は「あのメルカリすら10%なのに高いね」と返した後「メルカリで売ればいいじゃん!?」と思い至りました。
さっそくメルカリで「紅まどんな」と検索。すると大量に出てくるまどんなの出品…しかも実家が売っているより高い。そして飛ぶように売れていました。
なんなら農家ではない出品者も多い。そういえば2級品だけを100kg買っていったお客さんがいた。流通ルートを知っていることの強さをしみじみと感じる。
さっそく商品画像を作って出品。3分程度で売れた。(厳密に言うと紅まどんなの名前で売るのはダメなので我が家は(紅まどんな)とした)
そしてかなりの反応をいただき、フォロワーが一瞬で増えました。私も湯水のようにみかんを食べてきたせいで市場価値がわからなくなっていましたが、思った以上に紅まどんなが全国的に知られていたし、みんな食べたいと思ってくれていたことを知りました。
渦中にいる人間はそのものの価値に気が付きにくいのだと身を以てわかりました。
インターネットの売買に関して文章による説明も大切だが、何より写真の力が強いと確信しています。デザイナーに転職してからというもの、両親に「結局なんの仕事をしているかわからない」と言われ続けた私のアピールチャンスと張り切りました。
商品画像を撮影・制作。クライアントである両親からも「なんかプロっぽい」とご好評をいただけました。(上記は甘平という品種、つぶつぶ感があって酸味も少なく美味しいのでこれも全人類食べて欲しい)
その甲斐あってか、先の紅まどんなが好評だったおかげか(おそらく後者)出品すると1分と経たず売れるようになりました。
しかしふと他の出品者と並んでいるページを見たところ、
違和感。
他の出品者と異なり、購入するとどんなものがどのくらい届くか一目でわかりにくいことに気がつきました。また、個人が売買する場において編集された画像が少ないため、浮いてしまっています。私が買う側だったら、他企業の通販ページから勝手に画像を引用したのかと疑ってしまいそうです。実際そのような出品画像が頻繁に見られるためです。
今シーズンの柑橘は終わってしまったので来年はこれらの問題解決に勤めようと思います。
「売る」ことに直結した業務に携わることがなかったので、良い勉強となりました。今後携わることがあればぜひ活かしていきたいと思います。
フリマサイトでの販売に最初は懐疑的だった父が、売れ行きを見て今までの売り上げを再計算していました。今までの変わらないやり方、変わらない卸先になにか思うところがあったらしい。
(はじめてお金の話をされた)
自分自身の価値は渦中にいてはわからないもの。また、その価値をつける市場の知識が不可欠。今後はこの冬の経験をもとにクライアントに対しても広い視野を持って価値を見出し、発信できるデザイナーでありたいと思います。
※農家のフリマサイト使用について、今はグレーゾーンな部分があるようです。フリマサイトの域を出ないようガイドラインを守って利用していきたいと思います。なお売り上げに課される税金について、20万以下は申告の必要がないようです。