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医師不足と医学部受験セミナー~小林公夫(2006年)

大学の医学部や医科大学への進学を希望する高校生に大学受験対策を指南し、併せて医療の現場についての理解を深めてもらおうと、山形県教委は冬休み期間に、予備校講師や医師らを招いた合宿形式の「スーパー医進セミナー」を開きます。

山形県教委が予備校と連携して事業を行うのは初めて。

山形県教委高校教育課は「学校では、志望大学や進路の細かい分野に応じた指導には限界がある。医学部向けの受験勉強の専門家や第一線の医師から多くのことを学んでほしい」と狙いを話しています。

セミナーは2007年1月5~7日の2泊3日の日程で開催。

「県青年の家」(山形県天童市)に泊まり込み、県青年の家や県立保健医療大(山形市)で講義を受けます。

早いうちから進路への意識を持ってもらおうと、対象は1年生のみとした。山形県教委は100人程度の参加を見込んでおり、2006年12月に募集を行います。

セミナーで指導にあたるのは、医学部や医科大進学者向けのコースを担当している山形県外の予備校講師。

英語、数学などの受験教科を指導し、過去の試験問題を分析して傾向などを探ります。

セミナーの期間は年明けの2007年1月の大学入試センター試験の直前で、予備校は冬期講習の時期にあたることから、講師の具体的な人選は今後行うといいます。

また、現職の医師を招いて、医療現場での体験や医師の仕事の意義などについての講演会も行われます。

空き時間や講義終了後には、自治医科大(栃木県)職員や山形県出身の若手医師と参加高校生との懇談会も予定されています。

山形県教委はこのセミナーのために、2006年度の山形県当初予算に167万円を計上しました。

山形県内では医師不足が深刻化しており、高校教育課は「山形県出身者がより多く医師になれば、山形県内に定着する確率も高くなるのではないか。教育面で貢献できる施策を考えた」と、医師不足解消への効果も期待しています。

小林公夫

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