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バブル期のオーバープレゼンス~平本智章

バブル時代の1980年代後半、東京証券取引所、第一勧銀本店、日本開銀本店の所在地を結ぶ三角形を「東京トライアングル」と呼びました。ここは東京都の千代田、港、中央の都心3区にまたがり、銀行、証券、大会社の本支社がひしめいていました。内外銀行、外国為替ブローカーの8割が集中する金融の中枢でした。ニューヨークのウォールストリート、ロンドンのシティに匹敵しました。

「オーバープレゼンス」は過剰存在、目立ちすぎのことです。国際金融界での日本の銀行、証券の目立ちすぎのことをいいます。もともと日本企業、日本商品が東南アジアで幅をきかせすぎることも意味しました。

当時の宮沢大蔵大臣が閣議に示した対外貸借報告書によると1986年末対外純資産額は1803億ドルで「世界一のカネ持ち」だそうです。ほとんどの日本国民にカネ持ち感はないですが。

デパートが地下1、2階の食品売り場の拡張、充実に熱心です。このお客さんを上階に回ってもらい、全体の売り上げ向上をねらうのが「噴水効果」です。かつては、上階に目玉売り場、展覧会場を設けてシャワー効果をねらったものです。

平本智章

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