知らない会社から営業メールやDMが届いたとき、皆さんはどうしていますか?
興味がなければ、そのまま閉じてしまうかもしれません。
でも、少し気になるサービスだったらどうでしょう。
「どんな会社なんだろう?」
「本当にこのサービスを提供しているのかな?」
「実績はあるのかな?」
そんなことを考えて、会社名を検索したり、ホームページやSNSを見に行ったりすることはないでしょうか。
私は、営業DMを送る側の仕事をしながら、以前から気になっていることがあります。
営業をかけた相手が、その後に調べに来たとき、必要な情報を見つけられる状態になっているだろうか。
営業活動というと、こちらからアプローチするプッシュ型と、お客様から問い合わせをいただくプル型に分けて考えられがちです。
でも、どちらの営業にも、発信は必要なのではないかと思っています。
営業DMは、最初の接点にすぎない
営業DMの目的は、その場で契約してもらうこととは限りません。
まずはサービスに興味を持ってもらい、話を聞いてみようと思っていただくこと。
以前の記事でも、営業DMは「いきなり売らない」と書きました。
限られた文字数の中で、相手の課題に触れ、自社が提供できることを伝え、次の行動につなげる。
ただし、DMだけですべてを説明するのは難しいものです。
そこで、受け取った相手が自社について調べてくれる可能性があります。
ホームページには何が書かれているのか。
どんなサービスを提供しているのか。
どんな人が運営しているのか。
実績や事例はあるのか。
ここで情報がほとんど見つからなければ、興味を持ってくれた人も、問い合わせをためらってしまうかもしれません。
反対に、サービス内容や考え方が整理されていれば、DMでは伝えきれなかった部分を知ってもらえます。
プッシュ営業でも、相手が自分で情報を確認できる受け皿は必要です。
発信は、営業担当者の代わりに説明してくれる
営業活動では、同じような質問を何度も受けることがあります。
「他社と何が違うんですか?」
「どこまで対応してもらえますか?」
「どんな企業に向いているサービスですか?」
「導入すると、何が変わりますか?」
こうした内容をホームページや記事にまとめておけば、営業担当者が毎回一から説明する必要はありません。
もちろん、実際の商談では相手の状況に合わせた説明が必要です。
それでも、事前にサービスへの理解が進んでいれば、商談ではより具体的な課題について話せるようになります。
営業担当者が説明する内容と、ホームページに書かれている内容が一致していることも大切です。
発信は、単なる宣伝ではありません。
営業担当者の説明を補い、相手が判断するための材料を提供する役割もあります。
プル型営業では、発信そのものが入口になる
一方、プル型営業では、発信そのものがお客様との最初の接点になります。
私自身、以前ブログやSNSを使って集客していた時期があります。
アメブロでセミナーに関連する記事を日々発信し、そこから申し込みにつなげたり、ホームページの記事を検索で見つけてもらったり。
こちらから一人ずつ営業しなくても、情報を探している人に見つけてもらえる。
これがプル型営業の魅力だと思います。
ただし、記事を書けばすぐに問い合わせが増えるわけではありません。
検索されるテーマを考え、必要な情報を届け、興味を持ってくれた人が次に何をすればいいのかを整える。
そうした積み重ねが必要です。
また、発信を読んでくれる人が、必ずしも今すぐ商品を必要としているとは限りません。
それでも、必要になったときに思い出してもらえる可能性があります。
発信は、今すぐの問い合わせだけでなく、将来の見込み客との接点にもなるのです。
プッシュとプルは、対立する営業手法ではない
プッシュ営業とプル型営業は、どちらか一方を選ばなければならないものではありません。
例えば、営業DMを送る。
興味を持った相手がホームページを見る。
関連記事を読んで、サービスへの理解を深める。
その後、問い合わせや商談につながる。
これは、プッシュ営業で生まれた接点を、発信が支えている状態です。
逆に、記事やSNSからサービスを知った人が、問い合わせをしてくれることもあります。
この場合は、発信が最初の接点になっています。
入口が違うだけで、その後に必要なことは似ています。
相手にサービスを理解してもらうこと。
自分に必要なものか判断してもらうこと。
安心して相談できる状態をつくること。
プッシュ営業は、こちらから見込み客に出会いに行く活動。
プル型営業は、見込み客に見つけてもらうための活動。
そして発信は、その両方を支えるものだと思っています。
発信とは、毎日SNSを投稿することではない
ここでいう発信は、必ずしも毎日InstagramやXを更新することではありません。
ホームページのサービス紹介を整える。
よくある質問を掲載する。
過去の実績や事例をまとめる。
仕事への考え方を記事にする。
こうした情報を、必要な人が見つけられる場所に置いておくことも発信です。
むしろ、営業を始める前に最低限の情報を整えておくだけでも、意味があると思います。
何を提供しているのか。
誰のどんな課題を解決できるのか。
他社との違いは何か。
どこまで対応できるのか。
どうすれば相談できるのか。
こうした情報が分かる状態になっているでしょうか。
投稿回数を増やす前に、まずはそこを確認してみてもいいかもしれません。
営業活動と発信を、別々に考えない
営業DMを送る仕事をしていると、どうしても送信数や返信数、アポイント数に目が向きます。
もちろん、数字を追うことは大切です。
でも、返信が来ない理由は、DMの文章だけにあるとは限りません。
ターゲットが合っていないのかもしれない。
提案内容が伝わっていないのかもしれない。
あるいは、興味を持って調べてくれた人が、必要な情報を見つけられなかったのかもしれません。
発信だけを頑張っても、問い合わせにつながる導線がなければ、機会を逃してしまいます。
営業DMだけを頑張っても、その先に判断材料がなければ、せっかくの興味を活かしきれないかもしれません。
だからこそ、営業活動と発信は、別々に考えない方がいいと思うのです。
営業で接点をつくり、発信で理解を深めてもらう。
発信で見つけてもらい、営業の仕組みで相談や商談につなげる。
どちらか一方に頼るのではなく、それぞれの役割を考えて組み合わせる。
営業手法を増やすこと以上に、そこから先の流れを整えることが大切なのではないでしょうか。
発信は、投稿して終わるものではありません。
必要な人が、必要なときに、自分たちのサービスを理解できる状態をつくっておくこと。
それが、プッシュ営業にもプル型営業にも共通する、発信の役割だと思っています。