プロアクティブとリアクティブ
プロアクティブは「先を見越して主体的に行動する」、リアクティブは「問題が生じてから反応的に対応する」です。
- もちろん、組織や役割、事業のフェーズによっては迅速かつ的確なリアクティブな対応が、事業継続の生命線となる場面も多々あります。リアクティブな対応は、危機管理や即時解決において不可欠な能力です。
- どちらが重要かについては、このように目的や状況・フェーズによって判断されるでしょう。
しかし目的次第といっておきながら誤解を恐れずにいうと、
私はプロアクティブな状態を目指したいと思います。
プロアクティブでありたいきっかけを紹介します。
当時私は製造業の半導体材料の加工プロセスの研究開発に従事しておりました。加工する材料は製造部門から供給いただくもので、製造部門と密にやりとりをして業務を進めていました。そのため製造部門の様子も垣間見ることが出来ました。
製造ラインは製品の高品質化および均質化を目指して歩留が高くなるように常にみなさんが努力しています。しかし扱っているものは自然現象でありどんなに努力していても品質を乱す外的因子と戦っています。そして品質が乱れ、その対処に追われ、改善し、再び品質が乱れ、対処し、改善するサイクルを繰り返します。
私はこの状況をワニワニパニックのようにみえていました。
ワニワニパニックは、プレイヤーがハンマーで穴から出てくるわにを叩いて高得点を目指すゲームです。(もうゲームセンターで見かけなくなってしまったかもしれません。汗)
ワニ(品質問題)が穴から出る
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プレイヤーがハンマーで叩く(品質問題を対処し改善する)
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他のワニ(品質問題)が穴から出る
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このサイクルを止めないといつまでも対処に追われますし、「常に後手に回っている」という状況は、働く上での健全さや、より創造的な活動のための時間という観点から、果たして最も幸福な状態なのだろうか、と疑問を感じました。
「品質問題を能動的に制御できないだろうか」
この問題は製造業で強く感じたというエピソードを紹介しましたが、これは他の場面でも同様ではないでしょうか。リアクティブな対応で状況を切り抜ける能力の重要性を認めつつも、その対応が必要な「ワニ」を極限まで減らし、先手を打てる環境を作ることが、組織と個人の次の成長に繋がると信じています。