人はマットレスを買っているのではない。最高の朝を買っている。
人はマットレスを買っているのではない。最高の朝を買っている。
先日参加した、プロジェクトマネジメントの手法についてのとある勉強会でのことです。
そこで印象に残ったのが、
「HowよりもWhy / Whatが重要」という話でした。
つまり、
- どうやるか(How)
ではなく - なぜやるのか(Why)
- どんな価値をつくるのか(What)
を考えることが大事だ、という話です。
これは自分の感覚としてもとても納得できる内容でした。
ただ、そのときに少し意外な反応がありました。
「価値ってどうやって考えればいいのか、よく分からない」
という声が挙がったのです。
その瞬間、少し衝撃を受けました。
同時に、ある意味で納得もしました。
もしかすると、多くの人は
「価値」よりも「手段」の方が分かりやすいのかもしれません。
手段は分かりやすい
仕事の中でよく議論されるのは、例えばこんなことです。
- どうやって売るか
- どんな施策を打つか
- KPIをどう設定するか
- 売上はいくらか
これらはすべて大事なことです。
ただ、これらは基本的に
「手段」や「結果」を扱う議論です。
一方で、その前にあるはずの問いがあります。
それは
「そもそも誰にどんな価値を届けたいのか?」
という問いです。
人はマットレスを買っているのではない
例えば、マットレスを買う場面を考えてみます。
多くの企業側の視点では、
- どうやって売るか
- どんな広告を打つか
- 価格はいくらにするか
- いくつ売れたか
といったことに関心が向きがちです。
もちろんそれも重要です。
ただ、ユーザーの視点に立つと、
少し違う景色が見えてきます。
マットレスを買う人が本当に求めているのは、
- スムーズに眠れること
- 寝返りが打ちやすいこと
- 体が楽なこと
- 朝、気持ちよく起きられること
ではないでしょうか。
つまり、人が欲しいのは
マットレスそのものではありません。
その先にある
「最高の朝」
です。
価値とは、人の状態が変わること
この視点で考えると、
価値とはモノでも機能でもありません。
価値とは、
人の状態が変わること
だと思っています。
例えば、
眠りが浅い
↓
よく眠れる
↓
朝の目覚めが良い
↓
一日が気持ちよく始まる
この変化こそが価値です。
モノやサービスは、
その変化を生み出すための手段にすぎません。
なぜ私たちは手段ばかり見てしまうのか
ここで一つ疑問があります。
なぜ私たちは、
価値よりも手段や数字ばかりを見てしまうのでしょうか。
理由はシンプルで、
手段や数字の方が見えやすいからです。
売上は数字で見えます。
KPIも数字で見えます。
タスクもチェックリストで管理できます。
一方で、
「人の状態がどう変わったのか」
は、数字だけではなかなか見えません。
だから私たちは、
つい測りやすいものを中心に仕事を考えてしまいます。
しかし本来、数字は価値そのものではなく、
価値が生まれた結果として現れるもののはずです。
仕事でも同じことが起きている
これはプロジェクトや仕事でも同じだと思います。
多くの議論は、
- スケジュール
- タスク管理
- 進行管理
- 数値目標
といった話に集中しがちです。
しかし本来はその前に、
「このプロジェクトは誰にどんな変化を生むのか?」
という問いがあるはずです。
その問いが曖昧なまま進むと、
仕事はどうしても
手段の議論
になってしまいます。
手段から考えると、仕事は作業になる
手段から考えると、
「どうやるか」
の議論になります。
一方で価値から考えると、
「誰のどんな状態を変えるのか」
の議論になります。
前者は作業になりやすく、
後者は意味のある仕事になります。
最後に
私はこれまで、
「問いを立てること」
をとても大切にしてきました。
問いとは、
「何をするか」
ではなく、
- 誰にどんな変化を生みたいのか
- どんな状態を得たいのか
を考えることだと思っています。
人はマットレスを買っているのではありません。
最高の朝を買っています。
もし仕事でも同じように
人の状態の変化から考えることができたら、
仕事の見え方は少し変わるのかもしれません。