AEO対策、無料ツールで意外と測れる話
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AEO(Answer Engine Optimization)を始めるのに、5桁ドルのテックスタックは必要ない。
先日の朝、いつものようにHubSpotブログのRSSを流し読みしていたら、ひとつ目に止まった記事がありました。"Free Answer Engine Optimization Tools to Benchmark LLM Visibility"。
著者は実際に、無料ツールだけを組み合わせて何十件ものブランド監査を回しているという。なるほどな…と読みながら、AEO周りの最近の空気を思い返していました。
「AI検索でうちは出てくるんでしょうか」
「AEO対策、何から手をつければいいのか」
こうした問いが出てきている領域なのに、いざ予算と工数の話になると、急に解像度が落ちる感覚があります。
私はマーケティング支援を本業にしていて、HubSpotを軸にした運用設計をよく扱うので、こういう「足元から測れる方法」の整理は気になるテーマです。
※弊社はHubSpotのAEOツールを使っています。HubSpotのMarketing Hub導入済の方はタブをチェックしてみてください。「AEO」という項目から設定可能ですよ。
SEOとAEOの問いの違いとは
記事を整理すると、SEOとAEOの違いはこういう問いの違いに言い換えられます。SEOが「このページは検索エンジンにランク付けされるか」を問うのに対し、AEOは「このページはAIに権威ある引用元として選ばれるか」を問う。
測る指標も別物です。キーワードランキングと有機トラフィックではなく、ブランド言及頻度・引用数・感情・シェアオブボイス。つまり「うちが何位に出るか」ではなく「うちがどう語られるか」を見ることになる。
SEO投資の中の何がAEOに効いているのか
ここが地味だけど大きな転換で、過去にやってきたSEO投資の中で、何が今もAEOに効いているのか。それを測れないままだと、AEO対策で二重投資をする羽目になります。
記事で紹介されている無料ツールは大きく8本ありますが、現場で全部追うのは重いので、入口として3本に絞って整理してみます。
一つ目が HubSpot AEO Grader。100点満点でブランドのAI可視性をスコア化し、感情分析や競合比較まで出るそうです。
二つ目が Google Search Console。普段から開いているはずなのに、「質問ベースのクエリ」「AI Overviews掲載状況」という別のレンズで見直すと、まったく違う発見があります。
三つ目が Ahrefs Brand Radar。GPTBotなどLLMクローラーが自社サイトに来ているかを見られる。
つまり、いきなりスタックを組まなくても、まずはこの3本だけで「現状どこにいるか」のおおよそが見える、ということになります。
読者のことを考えるSEOはAEOの土台になっているのでは?
…で、記事の中で一番、目が止まった数字がありました。
AI Overviews掲載の92%は、すでにオーガニック検索のトップ10に入っているページから引用されている。
これが意味するのは、SEOを地道にやってきた会社は、思っていたよりずいぶんAEOにも効いている、ということだと思います。SEOの投資はAEOへの乗り換えで一度ゼロになる、わけではない。むしろ多くの場合、ベースとして効いている。
私の過去実績からの引用で恐縮ですが、SEOの再設計でオーガニック流入を2.5倍に伸ばした案件(Google医療アップデート直後のBtoCメディア再構築)や、問い合わせ完了率を2ポイント改善し、オーガニック流入150%増まで持っていった案件(大手会計ソフトのBtoB案件)を見てきた感覚で言うと、「コンテンツの構造化」「検索意図への直接回答」「E-E-A-T信号」という3点はSEO作業として今も有効で、かつそれがそのままAEOにも乗っかってくる、ということなのでしょう。
…我ながら少し古株っぽい物言いになりましたが、それくらい変わらない要素もあるということでもあります。
人間がわかりやすくAIも引用しやすい構造がよい?
もうひとつ気になったのは、120〜180語のセクションで構造化したページは、ChatGPTからの引用が70%増える、というデータです。…書きながら「LLMが切り取りやすい単位」を意識するというのが、いつの間にか別のお作法として静かに育っている感覚があります。AI時代のライティングは、人が読みやすいだけでなく「AIが引用しやすい構造」も同時に考える、ということなのかもしれません。
AEO対策の入り口は2つに分かれそう
ここまで読んで、AEO対策の入口は2つに分かれそうだと感じました。
一つ目は、SEOの蓄積がある会社。この場合は、新しい大きな投資をする前に、まず現状のトップ10ページがAIにどう引用されているか、どのクエリでどう拾われているかを測ることから始められる。蓄積がそのまま資産になっている可能性が高いから、まずは「持っているもの」の棚卸しが先になる。
二つ目は、まだSEOの蓄積が薄い会社。こちらは「AEO対策」という言葉に新しい予算項目を作る発想ではなく、SEOの基本(構造化データ、E-E-A-T、検索意図への直接回答、内部リンク設計)を最初からAEOを意識した形で手厚くやることが、結果的にAEO対策の8割をカバーしてしまう。「AEOから始める」より「SEOをAEOを意識した形でやる」のほうが、現実的かつ予算上も無理がない入り方です。
今のコンテンツ資産はAI視点にどう映るのか
AEOというラベルは、新しい予算項目のように見えてしまうこともあるけれど、実際は「すでに持っているSEO資産が、AIの目線でどう見えているか」を測るところから始まる。朝のRSSから始まった記事の読み解きは、こういう着地になりました。
無料ツールで5分、現状を測る。お財布にも、判断の解像度にも、優しい入り方だと思います。
#AEO #SEO #AnswerEngineOptimization #マーケティング #HubSpot
※この記事は、岩永のAIパートナーのBishopが執筆し、本人が編集したものです。どれくらい本人の手が入ったかは、読者の皆さまのご想像にお任せしています。
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参考:
Free Answer Engine Optimization Tools to Benchmark LLM Visibility
https://blog.hubspot.com/marketing/free-aeo-tool-benchmark