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誤解してない?面接官が見る「本当」の”採用基準”

【自己紹介】

 岐阜県関市出身。高校卒業後大阪府警察学校へ入校し、18歳で現場の警察官として勤務。

 浪速の繁華街での交番勤務を経て、内勤勤務へ異動。若手人材育成に関する業務を担当し、新人警察官の教育業務に従事。

3年間、警察官としての勤務を経た後、警察官を退職。

その後、株式会社フォリオに入社。

無形商材や法人営業、広告の運用等のWEBマーケティングの経験を経て、現在は新人研修・採用担当としての業務を担う。



【誤解してない?採用側が見ている本当の採用基準とは】

<誤解その1:面接を受けるスタンスの誤解> 

採用側から見ると、みなさん面接に対して明らかに準備過剰です。

確かに事前準備を徹底していると「しっかりしている」という印象も受けるが、採用する側が見ているところは、

「どれほど考えることが好きか」

「その場で正解に対してどれだけ熱心に考え、今目の当たりにしている課題に対してどう考えるか」

を一番見ているんですね。

ただ、求職者の方々はさまざまなケース問題の回答を一生懸命に覚えてきて、面接担当者の問いに対し、事前に暗記してきた内容を話す人が多くいます。

いくら候補者が口で「考えることが好きです。考える仕事につきたいのです!」と主張しても、事前に準備された台本を読んでいる。その時点で「この人考えることは苦手なのか?好きではないのか?」と捉えられてしまします。

覚えてきた回答を披露するのではなく、面接時間の一時間の中で実際に考える。これこそが入社後に抱える問題に対して常日頃考えられる人なのかどうか、推しはかられるところなんですね。



<誤解その2:”地頭信仰”が招く誤解>

ただ、「地頭」がいいから採用される。と思われがちだが実際はもっと重要なことがあります。

例えば弊社のサービスは採用のコンサルティング業務であり、企業経営者向けのサービス業です。

企業を率いる経営者の方から相談を受け、その解決を支援するのが仕事です。それは、

 ①経営課題の相談を受ける

 ②問題の解決方法を見つける

 ③問題を解決する

の三つのプロセスがあります。

このうち地頭が関係するのは②の「問題の解決方法を見つける」ところだけです。①や③も、②と同等以上に重要なのです。

例えば最初の「経営課題の相談を受ける」部分。営業先は企業のトップ、もしくはそれに近いところで経営を率いる人が、自社の経営課題を誰にでも明かすわけではありません。

問題を解く能力がある人ならだれでもではないんです。そういった相談を受けるためには、お互いの間に深い信頼関係が成り立っていることが不可欠です。ライバル会社ではなく、自社のみにコミットしてくれるはず、という信頼感、個人として弱みを見せても良いと思われる包容力、最終的に結果を出してくれると信じられるリーダーシップなど、さまざまな素質が必要です。それらに必要なものが地頭などではないことは、誰の目にもあからかでしょう。

困難にぶつかりつつも乗り越えていく力は、地頭の良さとは無関係です。人や組織に関する深い感受性、強靭な精神力や未知のものに対する楽観的な姿勢(ポジティブシンキング)、粘り強さ、リーダーシップなど、求められる資質は多義にわたるのです。

ところがみなさん面接の際、自分の頭の良さを面接担当者にアピールすることに必死になります。

自分がいかにこれまでの仕事で評価され、どれほどの功績を残したのか、どれほど優秀な人材であるかを淡々と語る候補者はそんな自分が相手からどう言えているか、全く考えてもいません。

例えば顧客である経営者は、自分がいかに優秀かを延々と語り続ける人を、「信頼できる相談相手だ」と思ってくれるでしょうか。

面接担当者との会話の中で、相手の表情の変化さえ読もうとせず、ひたすらに自分が考える正しい答えを朗々と披露する人は、コンサルティング業がサービス業だということを理解していません。自分が話してるところを今、相手がどう感じているのか、退屈だと思われていないか、的外れなことになってはないか、理解されているのかいないのか、そういったことに鈍感では、地頭が良くてもこの仕事はできないのです。

面接で見られているは、「この候補者は、目の前に経営問題が運ばれてくれば、解を見つけ出す地頭のよさがあるか」ということだけではありません。見られているのは、その候補者が将来、経営者に信頼され、さまざまな相談を持ちかけられるコンサルタントになれるかどうかです。

思考スキルは面接時には必要ないんですね。思考意欲と思考体力=高い思考力を保つために不可欠な適正、面接時に確認されるポイントです。


<誤解その3 分析が得意な人を求めているという誤解>

昨今の日本において、『頭がいい人』に関して誤解されている点があります。それは数字の処理能力であったり、理解力が高いことを指している点である。そういった現状把握や分析をするための能力は問題解決プロセスの前半部分でしかないです。

コンサルタントが問題を解決するためには、これら前半プロセスに加えて、「では、どうすれば良いのか」という、処方箋を書く後半部分が必要です。

何が悪いのか、ということだけが分かっても、解決策にはなりません。

現状分析能力があっても処方箋を書く能力がないと、現状というコインを裏返しただけの解決策しか出てきません。

例えば「海外製品に比べて価格が高いから売れていません」(現状分析)→『ではさらにコストを削減し、原価を下げましょう』といった具合です。これでは回答になってません。


そうではなく、コストの高い日本で利益を出せるほど、高い付加価値が得られるビジネスとは、どのようなビジネスなのかということを考え、これまでには存在しなかった、儲ける仕組みを新たに設計して提示することなどが、処方箋として必要になります。

そのためには、深く掘り下げるという現状分析作業とは反対方向の思考である、「今は存在しない世界」をゼロからイメージして組み上げていく思考が求められます。

ラジオを分解してその内部構造を理解する能力に加えて、バラバラに散らばった部品や材料を見ながら「これらを使って、何かを価値のあるものが作れないだろうか」と考える力を注視してるんですね。


<誤解その4優等生を求めているという誤解>

なんでもできる万能人材を求めていると思われていることも誤解です。

何かの点において吐出して高い能力を持っている人が高く評価されます。ある一点において卓越したレベルにある人を「スパイク型人材」と言います。

採用時も入社後も「彼・彼女のスパイクは何か」という観点で人材を評価してるのです。

スパイク方人材は、難関においてリーダーシップを発揮する際に、とても有利です。困難な条件下で組織を率いるリーダーはしばしば、「この難局を、何で勝負して乗り切るのか」と問われるからです。危機の時、ここぞというときに使える自分の勝負球や自分の勝ちパターンを持っていれば、それで難局を乗り切れます。

一方「なんでもそつなくこなせる」平均点の高い優等生型人材は、一定以上の難局を乗り切るための術を持っていません。

ですので、吐出したスパイク型人材になりましょう!