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【メディア運営】今後やりたくないこと、徐々にやらない方向にシフトしていきたいと考えていること【BtoBメディア】

Photo by Austin Distel on Unsplash

はじめに

私はBtoBのオウンドメディアの編集長をしているのですが、こんなメディア運営はしんどいなぁと思う内容を整理してみました。

これからオウンドメディアを立ち上げたいなーと思う方に役立つ記事になれば幸いです。
よろしくお願いします。
(既読感覚でいいね、ハートマークつけていただけますと幸いです。)

※私個人の見解に基づくもので、所属する組織の公式見解ではありません。

やらんこと①新規ドメインからメディアを作ること

今後数年は、新規ドメインからメディアを作るのはむつかしいだろうなぁと考えています。
理由は、GoogleがDA(ドメインオーソリティ)を評価する方針なので、新規でドメインを立ち上げた場合は相当厳しいです。

【そもそも DA(ドメインオーソリティ)とは何か?】

DAとは簡単に言うと「Webサイトが、検索結果においてどの程度上位に表示されやすいのかを示す指標の1つ」です。
ページへの被リンク数や運用期間により決められると認識すればいいでしょう。

少しわかりやすい例を出します。
この2店舗のどちらかでランチをするとしましょう。

店舗A:30年営業していて食べログの口コミが100件ある町中華の店
店舗B:2か月前にオープンした町中華の店。口コミは5件ほど。

おそらく、

「うーん、30年も営業できてるってことは、きっと常連がつくほど美味いに違いない!!!」
「口コミ100件ある!すっごいなぁ~。」

という感じで自ら味を確かめてもないのにも関わらず、店舗Aの方が優秀だと判断してしまうのではないでしょうか。 Googleが検索順位を決める時にもこれと似たようなことが起きています。
味や口コミや運営年数を加味して店舗を決定したように、GoogleもDAとコンテンツの質を加味して検索順位が決めているのです。

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Googleの人工知能がまだ「コンテンツの内容だけで良し悪しを判断できるわけではない」ので、どうしてもドメインの力が重要視されます。
なので、もしも新規でメディアを立ち上げるとしたら、サービスサイトの直下にディレクトリを置いて、そこでメディア運営をする方法を選択したいと思います。

やらんこと②体力がない会社でのメディア運営

会社の経営が怪しくなった時に真っ先に切られるのがメディアであることは歴史が証明しています。
どれだけ読者に愛されていても、経営判断で不要と判断されたら更新停止。
ぐるなびさんの「みんなのごはん」の更新が止まった時にメディア製作者たちは震えましたからね。
(更新の再開おめでとうございます!)

メディアを立ち上げてから目に見える結果が出るまでにかかる期間は半年から1年。
とにかく時間がかかります。
投資が必要なのは時間だけではありません。
1記事作ると最低でも50,000円ほどの金額がかかります。 (人件費込み)
高額だと感じるかもしれませんが、資産となり積み上がっていくのがメディアのいいところです。
作ったメディアコンテンツをYouTubeの台本にしたり、SNSの話のタネにしたり再利用できるところもいいところですね。

このように、獲得するリードの質の担保やブランディングへの貢献などができるのがメディアです。
対照的に、短期的に成果を上げることに関しては今後もリスティング広告の方が上です。
単純にリードの数を取りたいときには、メディアではなく広告を選ぶべきです。

メディアはとにかく、性根を据えて取り組む必要があるので、長期的にメディアを育てられる金銭的な余裕や時間の余裕がない企業では、メディア担当が働いていてしんどいことになってしまいます。
それこそ、打ち切り寸前の漫画家みたいな。
(今の職場は大丈夫ですが)

最初の1年は途中経過を伝えながらキャタピラーのごとく着実に進んでいく。
自社のプロダクトと向き合い、そして世間と向き合いながら顧客と商品の出会いの場としてのメディアを作っていく。
そのために必要なのは我慢の期間をメディア担当だけでなく、全員で進んでいくことだとです。
自社のメディア担当をしていて常々感じるのは、会社への説明責任があるということです。
「なぜ理解してもらえない!?と思っている時間があれば、成果を数値化して先んじて報告して安心してもらう
この政治力にも似たスキルが必要なんだなと日々実感しております。

2位じゃダメなんですか?と聞かれたら、2位じゃダメな理由をキチンとわかってもらえるように説明する。(このネタがわからない人はすみません。)
そういう純粋な疑問に向き合って、クリアにして納得してもらいつつ未来に投資してもらう。
意外とそれきっかけで考えをアップデートできることもあるので無下に扱わない。

以上。
長期的に運営しないと意味がないので、ある程度の体力がある会社の方が望ましいが、メディア担当にもできる努力はあるよね!という話でした。

やらんこと③質より量の観点から記事を書くこと

散弾銃を撃ちまくるより、一発ずつ照準を定めて大砲を撃つ方向にシフトしていきたいです。という話です。

「質より量」の理由を一言でいうと、今は通用するけど今後通用しないやり方だからです。
メンテナンスが面倒くさいというものありますが。

メディアに参入する企業が増えてくることが予想され、1個のキーワードに対して多くの企業が記事を出すことになり競争力が増す。
その結果、記事を量産する方法は通用しなくなるからです。

説明します。

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1個のキーワードに対して複数の企業が記事を出すってどういう状況?

こちら、「福利厚生」というキーワードを用いて説明します。
このキーワードで記事を書いている企業は福利厚生に関する事業をやっている企業だけではありません。
人事向けのサービスを提供している会社も「人事と総務を兼務している方」を狙っており、プレーヤーになります。

福利厚生の1ページ目にHRポータルサイトが入ってきます。
まさに群雄割拠。
Googleの検索に似たような記事が並び、クオリティーが高い記事の渋滞が起こってしまいます。

せっかくいい記事を書いても上位表示されないと意味がないので、その労力を別の方向にむけたほうが建設的だと思います。

ここでとる選択肢は自社にしか書けない記事を書くことです。(ブルーオーシャン、差別化できている状態

自社にしか書けない価値は何なのか?
それを突き詰めて考えて、自社と社会が上手くかかわれる方法を探したいと思っています。
自社にしか書けない記事のイメージするために理想形だなと思うケースをご紹介します。

コミュ障は克服しなきゃ、なんてない。

この記事はインタビュー記事ですね。
おそらくですが、「コミュ障というキーワードで上位表示」を取ろう!という目的で書かれたものではないでしょう。

「しなきゃ、なんてない。」をテーマに、自分らしい人生を踏み出す人を応援するメディアとして立ち上げたメディアである「LIFULL STORIES」。
そんなメディアがコンセプトに沿って世の中の不自由について考えて出来上がった記事です。

ただ、この記事コミュ障というワードで1位を取っています。
キーワードから書いた記事ではないのに、不思議ですよね。

社会のために、社会の読みたい記事を書く。
Google が掲げる 10 の事実 というものがありまして、Googleがこういうコンテンツを評価しますよーという宣言があります。

ただ、ユーザーのために。
それだけ。
SEOを意識しないことが一番のSEO対策。
禅問答のような話ですが。

Googleは検索ユーザーの感情、文脈、深い意図を理解できるAI言語モデルを開発しています。
先ほどの記事がユーザーの検索意図に沿ったものであることを理解できる域まで来ています。

いい時代ですね。

まとめますと…。
将来的にはキーワード起点の記事は渋滞を起こす。
→上位表示するために自社にしか書けないような記事にする必要がある。
→そのためにはプランニングをしっかりする必要があるから、量より質になる。

という話でした。

やらんこと①新規ドメインからメディアを作ること
やらんこと②体力がない会社でのメディア運営
やらんこと③質より量の観点から記事を書くこと

長文でしたが、ここまでご覧いただきありがとうございました。