1
/
5

悔いばかりが残った高校時代から、NO WALLs, Inc.を起業するまで

こんにちは、高橋奎(@_keitakahashi_)です。11月19日にNO WALLs, Inc.を起業しました。

今までインターンや会社員、フリーランスとしてわりと自由に動いてきた中で、なぜ起業に至ったのか、具体的な事業としては何をするのか、そして何よりも今まで僕に関わってくださった多くの方々への感謝を伝えたく、筆をとりました。仲間の協力も得ながら一生懸命書いたので、よければお付き合いください。(書ききれなかった人も当然たくさんいるので、直接会った際に伝えさせてください)


僕はずっと、ダサいと思われるのが嫌だった。


僕はずっと、ダサいと思われるのが嫌だった。
代々医者の家系に育ち、優秀な兄や正義感を大切にする家族に囲まれ、十分に整ったレールを用意された自分は確実に恵まれていたが、どこかでいつも「出来る奎くん」でいないと自分の居場所がなくなるような不安定さを抱えていたように思う。

中学時代はサッカー部のキャプテンだったが、プライドが高く正論を振りかざすため、実はチームメンバーにはあまり好かれていなかった。サッカーは好きだったが、高校に上がると「キーパーになりたくない」といってサッカー部を辞めた。本当はキーパーなんてどちらでもよく、肩書きを無くした「ただの高橋奎」になるのが怖いだけだった。

高校時代はサッカーから離れ、そのエネルギーを音楽へ向けた。作詞作曲などをおこなって目立ちたかったが、うまくいかなかった。高校時代は後悔ばかりが残った。それと同時に、大学に入ったら何かに熱狂的に打ち込もうと決意した。

カタリバでの対話、出会い、心境の変化

大学生になり、僕が選んだのは認定NPO法人カタリバだった。当時は教師になる道を考えていたのに加え、自分が高校生活で得られなかった「本音で語り合える場所」を高校生たちに作ってあげたかった。カタリバでは、仲間とともに現場や組織の改革に熱を持って向かう日々が最高に楽しく、毎日がまるでお祭りのようだった。そして、そこでの様々な出会いが僕の人生を大きく変えた。

カタリバでは相手の背景を尊重する対話を重要視している。ひとりひとりの背景は当たり前に異なっており、それによって形作られた価値観も当然さまざまである。その前提を共有しながら「相手の価値観」を受け入れ、「自分の想い」を重ねる対話は、「正解なんてない、自分は自分でいいじゃないか」と自分自身を受け入れ、許すことに繋がった。

一方で、何かに熱中するというのは楽しいことばかりではない。大学一年生の冬には、カタリバでのインターンを辞めようとしたこともあった。当時の僕は、まだ高校時代から変わりきれていなかった。

「このままやめたらできないままの奎だよ。ダサいと思われることから逃げ続けて、高校生活と同じ思いするんじゃないの?」

当時の上司であるぐっしーさんに言われたこの言葉が胸に刺さり、歯を食い縛ってカタリバに残ることを決意した。結果としてコミュニティづくりやビジョン設計、人との対話など、今のキャリアの礎ともなる多くのことを学び、なにより過去の自分を乗り越えることができた。

カタリバで上長をしてくださったぐっしーさん、ジョンさん、りょーちゃんをはじめとする多くの方々、本当に本当にありがとうございました。
生意気ながらも、いろんな方にチャンスをいただけて本当に幸せでした。

ビジネスライクだけで未来を創ることはできない


その後紆余曲折をへて、新卒ではSTARMINE, Inc.というHR領域のコンサルティング会社に就職した。代表の宮川さんと初めてオンライン面談をし、開始10分でインターンの内定をもらったときには「本当に大丈夫か?」とほんの少し不安になったが(笑)、結果として当時の選択は一切間違っていなかった。

コンサルタントとして、どう人と人としての信頼関係を築くのか。ビジネスライクに売上を積んでいくのがどうしても嫌で、自分に貢献できることを自問自答しながら模索する日々だった。その中でたくさんのHR領域の先輩方から話を聞き、自分の意見や創りたい未来について話すことを繰り返しながら、少しずつ信頼関係を広げていった。

宮川さんから、会食やクライアントワーク後にひとつひとつ丁寧にフィードバックをもらったこと、仕事で一緒に三徹し、最終日にはハイになってダーツに直行したこと、ときには厳しい言葉で励ましてもらったこと、全てが学びでありいい思い出になっています。改めて本当にお世話になりました。

STARMINE, Inc.での日々は刺激的で楽しかったが、同時に「会社員」としての限界も感じていた。会社の売り上げを背負い、会社の売り上げを背負い、給料をいただいている中では、社会的意義を感じたからといって勝手に単価を下げて受注することはできないし、クライアントの課題解決のために自社にないリソースを他から引っ張ってくることも簡単ではなかった。自分が大事だと思う価値観に対して自分の時間やエネルギーを自由に使いたいというわがままは、ときに会社という構造と相反することもあった。

会社として事業をスケールさせることでより多くの価値を社会に還元するため、また従業員を守るために、クライアントから平等にお金をいただき、それに見合う価値を提供するのは当たり前に正しいことだ。一方でその「正しいこと」が僕の「価値観」とぶつかったとき、どうせなら僕は僕の気持ちにしたがって、自分の意志と責任の元でやってみようと思った。そして独立を決意した。

対話の場をつくり、横と未来への壁を解消したい


ビジョンをコアとし、その先のコミュニケーションをデザインする

COVID-19により不確実性が増した社会において、人と人、コミュニティとコミュニティの対立は明らかに顕在化してきている。そしてそんな現代だからこそ、僕は「対話の場」こそが世の分断を乗り越え、未来をつくる武器になると信じている。みんなでフラットに知見を交換したり、縁を繋いだり、応援し合う場をつくることで、みんなが安心してチャレンジできる場を増やしたい。


NO WALLsという会社名には、不確実な未来への不安や、人と人の対立といった「壁」を解消したいという想いが詰まっている。事業内容としては、ビジョンづくりを主軸に、それに紐づくコミュニケーション設計としてコミュニティの構築やブランディング、PRマーケやチームビルディングのお手伝いなどを予定している。

カタリバやSTARMINE,Inc.で、多くの人と対話してきた。ひとりひとりの強みを生かし、個々が主役になるチャンスをつくることや、GIVEし合うコミュニティの構築、イベント設計やワークショップを多数やってきた経験を、仲間とともに還元していきたい。

NO WALLs, Inc.は、ギルド型の専門家集団


NO WALLs, Inc.の組織編成は少し特殊だ。一旦正社員を雇うことはせず、スキル・人間性ともに信用できるフリーランスや複業の仲間たちと、業務委託ベースでの契約を結んでいる。会社自体も自分の周りの人たちが強みを生かしながらゆるやかに繋がれる「場」にしたいと思っている。

このような形にしているのは、2つの理由がある。

まず、正社員を雇うと、その人件費を安定して払うために案件を獲得する必要が生まれる。「目の前のP/L」を追いかける仕事ではなく、「目の前の人」にとって本質的な価値を提供し、中長期的な信頼/信用関係を築いていくことを大事にしたいと思ったとき、最適とは言えない構造だと考えた。

ふたつめに、必ずしも雇用という形に縛られず、共に未来を創り、今を楽しめる仲間と緩やかにつながっていたいと考えたためだ。チームには経営に関わるコアメンバーと別に、コミュニティメンバーが多数存在している。今すぐに案件がなくとも、挑戦したいことや創りたい未来を日々ゆるく共有しながら、信頼関係を深め、必要に応じてすぐにチームが組成できる仕組みだ。

目の前の人がどんな価値観をもっていてどんな未来を描いているのかを聞きながら、必要なタイミングで必要なチームをつくって伴走する。それがもっとも健全かつ、本来現実的とは言えない僕の理想論を叶えてくれる構造だと思っている。なるべくミニマムな会社で、フットワーク軽く対応できる状態にしておきたい。

実際に、フリーランス集団と言えど即レスで雑談に付き合ってくれるような暖かいチームに支えられ、少しずつだが確実に歩み始めている。まだ小さなうねりではあるものの、これからひとりひとりに誠実に向き合いながら、自分たちにできることをフルスイングで行い続け、良いパートナーシップを築いていきたいと思う。

NO WALLs, Inc. | Community Company「私たちに壁なんてない。共に行こう。より繋がり、より希望の持てる未来へ。no-walls.jp

おわりに

最後まで読んでくださりありがとうございました。

12月からいくつかリリースも出す予定です。Visionに近づくには、様々な局面で皆様のお力添えが必要です。皆様に心から応援していただけるよう、誠実に頑張っていきますので、引き続きのご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

コミュニティづくりについて相談したい、NO WALLs, Inc.について知りたいなどなど大歓迎です。以下TwitterのDMから、ぜひお気軽にご連絡ください。

よろしくお願いします。

Twitter:@_keitakahashi_

1 いいね!
1 いいね!