「続けられない」を解決する、働く女性のためのヘルスケアLP(自主制作)
1.担当範囲
- 要件定義・コンセプト設計
- ユーザーリサーチ・カスタマージャーニーマップ作成
- 情報設計・ワイヤーフレーム作成
- コピーライティング
- ビジュアルデザイン(カラー・タイポグラフィ・画像選定)
2.制作期間・使用ツール
制作期間:2026年2月〜3月(約4週間)
使用ツール:Figma、画像生成AI
3.制作物
4. 課題定義—なぜこれを作ったか
LP制作に取り掛かるにあたり一番最初に考えたのは、「何をお題にするか?」です。
パッと思いついたのは、前職で行っていたピラティス教室のことでした。
教室運営をする中で、以下のような課題を感じていました。
- 20~30代の利用者が少ない。(来ても続かない)
- 「教室」という性質上、一人一人に合ったアプローチが出来ない。
- 継続利用してくれている方でも、自宅でのケアは出来ていない。
このような、教室運営だけでは取りこぼしてしまうような課題は、どうすれば解決出来るのかな?と、よく考えていました。
思いついていた解決策としては、
- 時間と場所の制約を「オンライン」という手段で解決出来ないか?
- 利用者と1対1で関わることで、より個別の悩みや生活リズムに合った提案が出来るのではないか?
- 最初から自宅で取り組むことで、自宅でのケアが定着しやすくなるのではないか?
などを仮説として考えていました。
そこで、「理学療法士による架空のオンラインサービスを実施するとしたら?」というテーマで、サービス設計からLP制作までを行ってみることにしました。
5.顧客理解
まず初めに行ったのは顧客理解と課題の整理です。
これまで、頭の中では上記のような課題を考えていましたが、それをどのように体系立てて考えれば良いのかが分からずにいました。
そのような折、UIUXデザインのオンラインスクールで「ゴールダイレクテッドデザイン」という考え方の概念を知り、これを元に顧客理解を深めていくことにしました。
5-1. 顧客のゴール
まず初めに整理したのは「顧客のゴール」です。
ここでは、「ピラティス教室に参加してくれていた人たちは、どのような状態になりたかったのか?」という問いを起点に、顧客のゴール像を検討していきました。
ここでパッと思いついたのは、以下の3つです。
- 肩こり、腰痛が楽になっている状態。
- 痩せて綺麗になっている状態。
- 姿勢が良くなっている状態。
これらは、初回参加時のアンケートに多く記載されていた内容です。
(当時の宣伝用チラシに「肩こり・腰痛改善」や「姿勢改善」などの文言を載せていた影響も考えられます。)
これらをさらに感情的な側面まで深め、最終的にどのような心理的・身体的状態になりたかったのかを検討してみました。
・肩こり、腰痛が楽になっている状態
→日々の疲れが改善されている状態
→以前よりも疲れにくく、仕事や趣味活動にも前向きに取り組めている状態
→体の不調に対して何をすれば改善するかが自分で分かり、対処できる状態
・痩せて綺麗になっている状態、姿勢が良くなっている状態
→オシャレな服を着こなせている状態、無意識にとる立ち姿勢や座座位姿勢が美しいと感じられる状態
→自分の見た目に自信が持てている状態
→自分自身に自信を持って生活出来ている状態
以上から見えてきた顧客のゴールを、以下のようにまとめました。
顧客のゴール
体の不調に対して何をすれば改善するかが自分で分かり、対処できる。
その結果、仕事や趣味活動にも前向きに取り組め、自分自身に自信を持てている状態。
5-2. 顧客の現状
次に、顧客の現状を整理しました。
ここでは、ピラティス教室の利用者からその生活をイメージしてみました。
どんな生活をしている?
- フルタイムで仕事をしているため、自由に使える時間は出勤前後と休日。
- 仕事や家事などを毎日こなしていくだけで精一杯。
- 慢性的に疲れが溜まっている。
- 疲れていると何もやる気が起きず、SNSや動画をぼんやり眺めて休憩する。
- これといった運動習慣が無い。
- 自分が何をしたいのか分からない。
- 基本的に疲れている。
ゴールに対してどんな手段をとっている?
・SNSでたまたま流れてきたストレッチや健康グッズを試してみる。
・話題のサプリを試してみる。
・たまに自己流でストレッチや筋トレをやるが、やり方が合っているか分からない。
・肩が挙がらない、ぎっくり腰で歩けない、などの生活に支障を来す症状が出たら病院や整体に行く。
・とりあえず歩く・走る。
・ジムに入会する。
利用に対しての価値観は?
・出来るだけ安く済ませたい。
・時間をかけずに簡単に解決出来るものがいい。
・難しいことはプロに任せたい。(自分で調べたり試したりして、時間やお金を使いたくない。)
・分かりやすい方がいい。(認知・精神的負荷を避けたい。)
これらを統合し、顧客の現状を以下のようにまとめました。
顧客の現状
体に不調(肩こりや腰痛)が生じているが、改善のための行動が起こせず放置している。
このままではいけないと思っているが、何をすればいいのか分からなくてそのままにしている。
5-3. 現状からゴールに至るまでの過程
次に、ユーザーが現状からゴールに至るまでにとるであろう行動を、おおまかに考えてみました。
今回は、顧客の感じている不調を「肩こり」とし、中間目標として設定した「無料カウンセリングを予約する」までに辿るであろう行動で設定しました。
①肩こりを感じる
↓
②肩こりを改善したいと思う
↓
③肩こり改善の方法を探す
↓
④動画をみながらストレッチを試してみる
↓
⑤肩こりが少し改善したと感じる
↓
⑥「姿勢改善プログラム」のページにいく
↓
⑦プログラム内容を確認、検討する
↓
無料カウンセリングを予約する
そしてこれらの行動を、
①ゴールに向かう行動(理想の流れ)
②実際に考えること(リアルな反応や行動)
③「障壁」「課題」(行動の妨げになっているもの)
という3項目についてさらに深めていきました。
5-4. 課題と原因、解決策の整理
次に、上記のワークシートから重要だと思われる課題をピックアップし、その原因と解決策をまとめてみました。
ここで得た発見は、機能的な解決策だけでは解決されないであろう課題があるということです。
例えば、「行動を継続すること自体出来る気がしない」という課題に対し、「詳細な継続プランを提示する」「週1回のオンラインレッスン時に励ます」という解決策を考えたとします。しかし、この課題の本質は顧客自体が「出来る気がしていない」という感情面での課題であり、いくら綿密なプランや他者からの励ましを受けても解決されないことが多々あります。
実は、この「感情面の課題」については、理学療法士として働いていた時から解決策を模索していました。
例えば、患者さんの「肩こりをなんとかしたい」という課題に対して、「ストレッチを教える」という解決策をとったとします。その時は納得した風にみえたとしても、一週間後に確認するとストレッチを行っていないことが多々ありました。
このような場合「なぜ、継続出来ないのか?」について、日々の習慣やその時の感情などの面から掘り下げていくことが、解決の糸口になることがありました。
今回は、LPの中で機能面のベネフィットを伝えるだけでなく、これら感情面で行動の障壁になっているであろうものに対し、「共感→提案」という形のコピーライティングで対応してみることにしました。
具体的なコピーとしては、以下の通りです。
- 頑張る場所じゃない。楽しいから続けられる。
- お仕事終わりに30分だけ。ご自愛タイムをつくりませんか?
- あなたが、あなたらしくなれる場所です。
- この時間は、自分のことだけを考えられる。
- それぞれに合った解決方法がある。一緒に探していきましょう。
- 分からなくて当たり前。まずは思考を整理してみましょう。
機能面の解決策については、「Re:Postureとは?」というサービス説明のセクションで、ベネフィットとして提示することにしました。
6.ワイヤーフレーム / デザインカンプ
ここまでの内容を踏まえ、Figmaでワイヤーフレームとデザインカンプを作成しました。
6-1. 制作のポイント
- 顧客の行動フローから、LP閲覧のメインとなる媒体はスマートフォンであると想定し、今回は「モバイルファースト」のデザインとしました。
- FVではあえて「肩こり改善」など直接的なワードを使用せず、「頑張る場所じゃない。楽しいから続けられる。」という行動への心理的ハードルを下げるワードにしました。
- サービスへの信頼感を高める目的で、FVとCTAの次にRe:Posture代表の言葉を配置。顧客への共感を含めた内容や顔写真を取り入れることで、サービスへの親近感を感じられるようにしました。
- 「Re:Postureとは」のセクションでは、「顧客の課題と原因、解決策」で得た知見から、サービスの機能面における解決策をカード形式で提示。
- 「お客様の声」のセクションでは、様々な年代・職業の利用者の声を提示。継続出来た人の事例を見せることで、行動への心理的ハードルを下げることを狙いました。
6-2. デザインコンセプト
- 背景色は淡いベージュ、CTAボタンには濃い紺色を使用し、夜のリラックスタイムをイメージしました。
- ターゲット層の40~50代女性を意識して、落ち着きと優しさのあるフォント、シンプルな装飾を選びました。
7. 変遷
7-1. FV
最初は家でゆったりする女性の写真を背景に、「今日も、よく頑張った。」というメインテーマを中央に配置していました。
しかし、写真の女性がターゲット層に比べ若すぎること、サービスを利用するシチュエーションと少し異なることから、右のFV(仕事終わりの夜、自宅でのリラックスタイム)に変更しました。
また、メインテーマも「頑張る場所じゃない。楽しいから続けられる。」という、よりサービス利用時の心情に近いものに変更しました。
FVの写真とコピーを変更。FVの写真とコピーを変更。
7-2. 共感セクション
当初、共感→提案という流れをつくるために、Re:Posture代表が語り掛けるような文章を配置していました。
共感セクションには女性イラストや吹き出しを利用し、視認性UPを意識。共感セクションには女性イラストや吹き出しを利用し、視認性UPを意識。
しかし、スマートフォン上で確認したところ、文章量が多すぎて内容が伝わらないと感じたため、共感セクションと提案&代表者の言葉セクションの2つに分けることにしました。
8. 反省点
ユーザーテストができなかった
今回作成したカスタマージャーニーマップは、今までの理学療法士としての経験と仮説をベースに作成しました。実際にターゲットユーザーへのインタビューやユーザーテストは実施できていません。
「ターゲット女性が本当にこのFVで共感するか」「CTAのコピーで行動が促されるか」は、実際に検証する必要があると考えています。
9. 終わりに
今回のLP制作では、要件定義やコンセプト設計を詰めるところから取り組みました。様々な書籍やサイトを参照しながら、1つ1つ取り組んでいったため、予想以上に多くの時間をかけながら地道に進めていきました。
理学療法士として働いていた時に感じていたモヤモヤが、様々な知識やフレームワークを利用することによって、少しずつ整理されていく感覚があり、とても学びの多い時間となりました。
特に、「顧客の課題と原因、解決策の整理」では、
- 顧客の真の課題は何なのだろう?
- 「課題→原因→解決策」として無理のない流れになっているか?
- この解決策を選択することで、本当にゴールへ近づけるのだろうか?
と、頭がパンパンになるまで考え抜きました。
このような中でどうしても視野が狭くなり、自分よがりのサービスを作ってしまうことを避けるためにも、ある程度のところでターゲットユーザーへのインタビューをしていく必要があるのだなと感じました。
今後は、デザインスキルの向上や表現の幅を広げつつ、実装部分についても学習を続けていきたいと思います。