「結局、皆で集まってしまったね」
土曜日の朝。横浜のマリーナで隆は言った。
「寒いけど、ヨットに行こうか」
ラッコのメンバーたちは、船台に載っているラッコに上がった。
「暖かい!」
海からの風が吹いてくるマリーナの敷地内を歩いていると、暖房も何もついていないラッコのキャビンの中でも、風が吹いてこないだけで暖かく感じてしまう。
「暖房もつけようね」
麻美子は、パイロットハウスの陸電のスイッチを瑠璃子につけてもらってから、電気ストーブのスイッチを点けた。
「いいかげん、自分でも陸電のスイッチぐらいつけられるようになったら」
「だって、スイッチがいっぱいあって複雑なんだもの」
麻美子は、隆に答えた。
「それに間違ってスイッチをつけてしまったら大変でしょう。瑠璃ちゃんに聞けばちゃんとつけてもらえるのに」
「暖かいな」
麻美子の点けた電気ストーブの周りに皆が集まって来た。
電気ストーブで暖まってくると、パイロットハウスのメインキャビンはポカポカだった。
「暖かいね」
メインキャビンのサロンに座ると、皆はお喋りをし始めた。
「海に出て、セイルを上げてセーリングしなくても、こうやってヨットの中でお喋りしているだけでも楽しいよね」
ラッコのメンバーの女子トークは続いていた。
「このまま、相鉄ローゼンにでも行って、何かお昼を買って来て、ここで過ごそうか」
今夜は、ラッコのキャビンで泊まって、翌日もラッコを出航する予定なので、皆で相鉄ローゼンに行って、寝泊りするための食料品など備品を揃えて来た。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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