ジュニアヨット教室物語53
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お昼休み、松田はプールサイドで皆とお弁当を食べていた。
「松田の弁当って、洋ちゃんの弁当と同じじゃない」
「それはそうだよ。俺、今日は洋ちゃんの家に泊まって一緒に来たんだから」
「そうなんだ」
洋ちゃんのお母さんが2人分の弁当を朝、作ってくれたのだった。
「まあ、来週からは、京浜東北線で埼玉から1本で来れるから自宅から通うけどね」
松田は、皆に言った。
「京浜東北線が、ここまで来ているの知らなかったんだ?」
「こっちの方までは、なかなか来ないもの」
埼玉県の松田は答えた。
松田は、洋ちゃんと一緒に、佐々木や片桐たちとすっかり仲良くなってしまっていた。
「健ちゃん、皆を呼んできてくれるか」
片桐先生は、横浜のマリーナのクラブハウスで、愛菜と一緒にお喋りしていた健ちゃんに言った。
「はーい」
健ちゃんは、クラブハウスの表に出た。
「あ、もう午後のヨット乗るから、先生が集まれって」
健ちゃんは、プールサイドにいる男の子たちに声をかけた。
もうヨット教室3週目だというのに、なかなか男の子たち皆とは距離を縮められないでいた健ちゃんに対して、松田は1回目ですっかり仲良くなっていた。
皆は、健ちゃんに呼ばれて、クラブハウスの中に集まった。
「午前中は、愛菜が割といい走りをしていたな」
片桐先生は、午前中の皆の走りを見た感想を述べていた。
「それじゃ、午後からも乗ろうか」
片桐先生が、午前中の走りの反省を少し述べると、ミーティングは解散となって、それぞれポンツーンに泊まっているヨットに乗って、海上へと出た。
「洋ちゃん!」
洋ちゃんが、午前中と同じく健ちゃんとOPヨットに乗ろうとしていたら、片桐先生に呼び止められた。
「はい」
「午後だけどさ。二郎は、健ちゃんと一緒に乗りなさい」
片桐先生は、自分の息子に命じた。
「え、ミニホッパーは?」
「ミニホッパーは、洋ちゃんを乗せてみようと思う」
片桐一郎、自分のお父さんに言われて、片桐二郎は健ちゃんと一緒にOPへ乗った。
「乗り方は同じだけど、OPに比べてヒールしやすいし、スピードが出るから、しっかりライフジャケットの前を留めてから乗りなさい」
片桐一郎は、洋ちゃんに一通りミニホッパーの乗り方をレクチャーした。
OPが四角い石鹸箱のような形をしているのに対して、ミニホッパーは先端がとんがっていてフラットなデッキをしていた。
「あの、1人で乗るんですか?」
「そうだよ、基本的に1人乗りだから1人で乗れるようになりなさい」
片桐一郎は、洋ちゃんに言った。
「はい、出航しようか」
洋ちゃんが、ミニホッパーのティラーを握ると、メインシートを引いたのを確認すると、片桐先生は、ミニホッパーの舫いロープを外して、海上へ出航させた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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