「今日は、少し早めに港に入れたいな」
香織は、隆に言った。
「ああ、そうだね。貯木場に早めに入港しようか」
隆は、香織に返事してから、ラットを握っている香代に言った。
「はーい」
「今日は、何か貯木場であるの?」
松浦さんが、隆に聞いた。
「あるんだよな、瑠璃子」
「うん。皆でキャビンの中でバレンタインパーティーしたいの」
瑠璃子が答えた。
「なるほど、もうじきバレンタインデーだものな」
阿部さんが言った。
「バレンタインパーティーというのは、一体何をやるの?」
「皆、チョコを持ってきているんで、キャビンの中で湯煎したりして、手作りチョコを作るの」
「なるほど、ここで作って、それを彼氏とかにプレゼントするってことか」
中村さんが、瑠璃子に返事した。
「ううん。手作りチョコを作って、作ったら、今日この場で皆で食べちゃうの」
「プレゼントで誰かにあげるわけではないんだ」
「そう、みな特に彼氏とかいないし。ここで皆でお喋りしながら食べちゃおうって」
陽子が、中村さんに答えた。
「春になったら、もう貯木場には船を停められなくなってしまうじゃないですか」
隆が言った。
「だから、今のうちに船内でバレンタインパーティーして貯木場を楽しんでおこうと」
「そうだよな。来春からいよいよ横浜ベイサイドマリーナがオープンだものな」
松浦さんが言った。
4月からは、貯木場ではなく横浜ベイサイドマリーナに生まれ変わるのだ。
「入港します」
香代は、ラットを回して方向転換して、横浜ベイサイドマリーナに生まれ変わる直前の貯木場へと針路を向けた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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