クルージングヨット教室物語200
Photo by Buddy Photo on Unsplash
「夕食は6時からだよ」
マッキーの水森さんが隆に言った。
「もう既に夕食みたいに、飲み食いしているじゃないですか」
「これは、ただの晩酌、食前酒だよ」
阿部さんが隆に答えた。
「6時に食事だってよ」
トイレから出て来た麻美子に言った。
「そうなの?まだ何も夕食の準備していないんだけど」
麻美子が答えた。
「あ、ラッコさんは船内で食べるの?」
阿部さんが麻美子に聞いた。
「マッキーさんは?」
「うちらは、いつも通り、保田に来たら夕食はばんや」
水森さんが答えた。
「うちも、ばんやにする?」
麻美子が隆に聞いた。
「ほら、昨日は勝山に行ったから、漁協もらったばんやの割引券まだここにあるんだけど」
麻美子は、バッグから割引券を出して、隆に見せた。
「どっちでも良いよ」
ということで、今夜はマッキーとラッコにアクエリアスの横浜のマリーナ3艇のヨットで揃って、ばんやで夕食にすることとなった。
「ばんやって、お魚が泳いでいる食堂だよね」
香代が麻美子に言った。
「お魚なんか泳いでいたっけ?」
麻美子と話している香代の会話を聞いて、阿部さんが聞いた。
「お魚が泳いでいるっていうか、店の真ん中に水槽があったじゃないですか」
麻美子が阿部さんに説明した。
「あ、生け簀ね」
阿部さんが店内の様子を思い出した。
「お店の人が生け簀の魚をすくい上げたら、香代ちゃんがかわいそうって泣きそうだったんだよね」
陽子が言った。
「よく覚えているわね」
「私、あの時の香代ちゃんの優しさ、未だに印象残ってて」
陽子が麻美子に言った。
「さっきのマザー牧場では、平気で牛さんのソフトクリーム食べてなかったか」
隆が香代の頭をぽんぽんしながら言った。
「だって、ソフトクリームは牛さんのお乳から少しもらうだけだもの」
麻美子が香代に代わって答えた。
「マザー牧場に行ったんだ?」
「マザー牧場はさ、あそこに美味しいラム肉のジンギスカンのお店があるんだよ」
マッキーの人たちが話していた。
香代は、マザー牧場で一緒に遊んだ羊たちのことを思い出して、麻美子の後ろで話を聞きたくなさそうにしていた。
「ちょっと、もう羊さんのお肉の話はやめてあげて」
麻美子は、香代の手をぎゅっと握りしめてあげた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
東京国際ボートショー開催中の横浜マリーナではクルージングヨット教室生徒募集中!