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私服で働ける幸せ

休日の私の服です。


平日の私の服です。


私の服と書いて「私服」。

私服で働ける仕事に就きたかった。それは、学生服がなるべく着たくなかったのと同じ理由だ。学生服は、肩のところが固くて着心地が好きじゃなかった。見た目も好きじゃない。スーツは、学生服より肩のあたりの着心地はいいけど、堅苦しさはどこか残る。

就活はしなかったけど、業界研究本で「コピーライターは、私服でできる仕事」と書いてあって、これはいいなぁ〜と憧れた。


中学生の頃、1つ上の野球部の先輩たちが、オシャレに目覚めた。テレビゲームよりも、服にみんながお金を使い出した。そのとき、ミルクボーイ、ヒステリックグラマー、ポール・スミス、STUSSYというブランドを知った。中3のとき、ミルクボーイのTシャツをはじめて買った。Tシャツなのに9800円。地元の島根県では売ってなかったので、両親と一緒に鳥取県に行ったときに、途中でトイレに行くと言って、抜けだしてお店の中でとっても恥ずかしかったが、なんとか買った。

はじめて着たミルクボーイのTシャツは気持ちよかった。生地的には、普通のTシャツと変わらない。でも、着心地がちがうのだ。袖を通したとき、自分が主人公になった気がした。似合うかどうか、モテるかどうかはどうでもよかった。


そのあとも、いろんな服を好きになった。大学生の頃、箭内道彦さんというクリエイターの服が、カッコイイと思った。そのブランドが「ボヘミアンズ」であることを突き止めた。いまは箭内さんよりも、ボヘミアンズの服を持っていると思う。


私服とは好きな服のことである。好きな服で働けると、仕事を好きになれる。好きな服だから、好き勝手しゃべれる。好きな服だから楽しい。自分が楽しんでると、相手も楽しんでくれる。


仕事のためにガマンすることはほとんどない。ずっと等身大で生きられる。給料や仕事内容よりも、私服で働けるかどうかが、自分にとっては大切だ。「何をしてメシを食べるか」より「何を着てメシを食うか」が大事なのだ。


あなたは、いま着てる服、好きですか?

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