技術の変化に直面したときの心構えと行動
50代で新しい領域に足を踏み入れた方へ
長年の経験を持ちながらも転職により
これまでとは全く異なる分野に
チャレンジせざるを得なくなった場合、
どのような心境となるのでしょうか。
いままで板金設計に長く携わってきたことで
設計に対する揺るぎない自信を
もっていたものの、
「明日からは樹脂設計をやってほしい」
と言われてしまったことで
頭が真っ白になってしまう。
設計という基本のプロセス、
部品の組立て方や部品形状の決め方など
新しい分野にも共通する点はあるものの、
新しい分野特有の技術特性というものに
頭を抱えてしまう。
・金属から樹脂への切替えに伴う材料特性変化
・プレスから射出への切替えに伴う工法変化
・板金から樹脂への切替えに伴う設計自由度変化
特性差異という不純物が脳内を駆け巡る。
単なる過去知見の応用では難しく
自分のキャリアが通用しない不安や
今さら新しいことが覚えられるのか、
といった葛藤に直面します。
これまでのやり方が通じないことへの戸惑い
板金設計を例にあげると
材料を曲げてカタチ作るという直感的な
プロセスだったものが
樹脂設計に切り替わることで
材料を溶かして流し込み
冷却、成形するという流動的なプロセスになる。
流動性や収縮、金型の離型性といった、
今まで意識したことのない要素が
次々に浮かび上がってくる。
新しい思考の必要性
これまでの経験は意味がないのか、
と思い悩んでしまいますが
そんなことはありません。
新しい分野への挑戦とは
今までの経験を手放すことではなく
経験を別の形に変換することを意味します。
つまずきの可視化(言語化)
現状 何から手をつければ
いいのか分からないという状況から
脱却するために
それぞれの不安を言語化していきます。
たとえば
・なぜプレス工法の考え方が通用しないのか
・なぜ形状に抜き勾配が必要となるのか
・なぜ金属材料と樹脂材料の特性を把握するのか
など、これまで触れてこなかったルールや
背景を丁寧に紐解きながら
新しい理解の土台を築いていきます。
年齢を活かした知識整理のアプローチ
新しい領域に踏み出すとき
年齢がハンデのように感じますが
50代だからこそできる
過去知見をベースとした
知識の整理や仕組みの
理解という思考を活用していきます。
若いときのようにがむしゃらに覚えるのではなく
なぜそうなるのか、という背景を理解しながら
新しいことを言語化していく。
そうすることで
一連のプロセスが可視化されます。
思考回路の増設について(体験談の活用)
本やネットから得られた知識は
断片的なものが多く
実務のなかで
「どのように判断すればいいのか」
と戸惑うことで
“生きた知識”に出会う難しさがある。
異分野転職を経験した方々の体験談を
共有してもらうことで現場で直面する問題点を
改善するヒントが得られ
実務で使える判断力につながる。
思考回路の増設(補足)
経験というOSに新しいアプリを追加することで
断片的な知識を覚えるのではなく
「なぜ」 「いつ」 「どこで使うか」を
判断できるようになります。
変化から再構築
異分野に挑戦することは再構築の始まりです。
これまで培ってきた経験が融合されることで
新しい価値が生み出され可能性が広がります。
これまで培ったスキルや視点を
異分野の新たな挑戦にどう結びつけられるかを
掘り下げてみるのは如何でしょうか。
初心者から学べる樹脂設計の実践活用術
https://www.udemy.com/course/fkhyhjay/?referralCode=95A0B8545F2AFE163A35