「Excelの限界」は組織成長の証~松栄軒が挑んだ「らくらく採算表」導入研修
コンサルタントの松浦です。
弊社が全員経営導入を支援している株式会社松栄軒にて、管理本部メンバーを対象とした「らくらく採算表研修」を開催しました。
これ以上のExcel管理は、もう限界かもしれない・・・
部門別採算制度であるニューチームマネジメントを導入し、組織が活性化し始めた経営者の多くが、ある時このような「壁」に直面します。
今回ご紹介するのは、鹿児島県で駅弁や給食事業を展開される株式会社松栄軒の事例です。同社は「全員経営」を導入して3年目。管理が高度化したからこそ現れた「Excelの壁」を「らくらく採算表」でいかに突破しようとしているのか。その研修の様子をレポートします。
「3年目の壁」 なぜExcel管理は限界を迎えるのか
松栄軒様がニューチームマネジメントを導入して丸2年が経過し、現在は3年目のフェーズに入っています。導入当初は「実績」を追うだけで精一杯だった各部門も、今では「年度計画」を立て、「月次の予定」を組み、さらには「着地見込み」を精度高く算出するまでになりました。
これは組織として素晴らしい進化です。しかし、管理側の「管理本部」にとっては、ある切実な問題が浮上していました。それは、扱うデータ量と採算表の種類が飛躍的に増えたことです。
これまではExcelで各部門の数字をまとめていましたが、予定・実績・年度計画・見込みという多層的なデータを部門別・時系列に整理し、かつタイムリーに経営陣へ報告するには、手作業の集計では物理的な限界を迎えていたのです。「数字をまとめるだけで精一杯で、分析や改善の議論に時間が割けない」。そんな状況を打破するため、松栄軒は「らくらく採算表」の導入を決意されました。
「らくらく」の裏側にある、緻密な設定への挑戦
松栄軒の本社にて、第3回目となるシステム研修が実施されました。参加したのは、管理本部長をはじめとする管理本部のメンバーです。
今回の研修テーマは、システムの心臓部ともいえる「高度な自動計算設定」です。
「らくらく採算表」は単なる集計ソフトではありません。kintoneを基盤としながら、NTMCが提唱する「全員経営」の思想を具現化するためのツールです。特に今回の研修では、以下の2つの高度な機能の実装に挑みました。
① 「支援対価」の自動発生機能
部門別採算において、管理本部が各現場をサポートするコストをどう可視化するかは重要なテーマです。研修では、想定される業務に対する単価を設定し、管理本部への「支援対価」として自動的に計上する設定を行いました。これが自動化されることで、毎月の複雑な振替作業がボタン一つで完結するようになります。
② 「按分処理」の自動化
清掃部門や製造管理といった「非採算部門」の経費を各採算部門へどう適切に割り振るか。これまではExcelの複雑な関数を駆使して計算していましたが、システム内で按分ルールをマスタ設定することで、ミスなく瞬時に計算が完了する仕組みを構築しました。
資料を読み込み、一つひとつの数値をシステムに打ち込んでいくメンバーの表情は真剣そのもの。しかし、その根底には「これができれば、自分たちの仕事が劇的に変わる」という確信に満ちた明るい空気が流れていました。
「産みの苦しみ」を共有し、全員で掴んだ成功
研修中、最も印象的だった場面がありました。それは「データのインポート」作業です。
「らくらく採算表」はExcelやCSVからのデータ取り込みが非常にスムーズですが、システムである以上、たった1箇所のフォーマットミスや不要なスペースがあるだけで、インポートは止まってしまいます。
「エラーが出た! どこが違うんだろう?」 「こっちの項目名かもしれない、確認してみて!」管理本部の皆さんは、誰に指示されるともなく分担して原因を探り、修正を加え、再トライを繰り返しました。そして……。
「入った! 成功です!」
画面に「インポート完了」の文字が出た瞬間、本部長もメンバーも顔を見合わせて満面の笑みを浮かべています。
まさに「産みの苦しみ」を全員で乗り越えた瞬間でした。今回苦労して作成したフォーマットは、一度完成すれば来月からは自動で、正確に、一瞬で処理を終えてくれます。この一時の苦労が、未来の膨大な「自由な時間」を生む。その価値を、全員が肌で感じていたのです。
事務局の「作業」を「創造的な時間」へ変える
研修を終え、管理本部の皆様からはこんな声が聞こえてきました。
「これで、数字をまとめる作業に追われなくて済むようになりますね」 「タイムリーに数字が出るから、現場のリーダーへのフィードバックももっと早くできそう!」
この言葉こそが、私たちが「らくらく採算表」を通じて提供したい真の価値です。
中小企業の経営において管理部門は「過去の数字を整理する場所」になりがちです。しかし、システム化によって集計工数を90%削減できれば、その空いた時間は「未来の数字を作るための分析」や「現場のサポート」といった、より付加価値の高い活動に充てることができます。
松栄軒の管理本部は、今まさに「集計事務局」から「経営の羅針盤」へと進化しようとしています。
松栄軒の事例は、決して特別なものではありません。 「全員経営」が浸透し、組織が成長すればするほど、扱う情報の精度とスピードが求められるのは必然です。もし今、貴社で「Excelでの管理が夜遅くまでかかっている」「集計ミスが怖くて数字が信頼できない」という悩みがあるのなら、それは組織が次のステージへ進むためのサインかもしれません。
「らくらく採算表」は、kintoneの柔軟性と、私たちのコンサルティングノウハウを凝縮したシステムです。松栄軒のメンバーが味わった「産みの苦しみ」の先の感動をぜひ貴社のチームにも体験していただきたいと願っています。