こんにちは!城間勝行です。
未知の領域へ踏み出すとき私たちの胸のうちはいつも小さな波音で満たされています。それはまるで暗闇に包まれた広大な海原へ小さな舟を漕ぎ出す瞬間に似ています。予測できない波風に揺られながらも前へ進む感覚こそが開発という仕事の本質なのだと感じています。
新卒で飛び込んだ大きな組織の中ではあらかじめ用意された緻密な航海図があり人々はその定められた航路を正確に進むことが求められました。そこには確かな安心感があり数千人規模の巨大な仕組みを動かすというかけがえのない経験を得ることができました。多くの仲間と力を合わせることで一つの大きな建造物を完成させる喜びを深く味わったのです。
しかし一方で地図に載っていない場所を自分の足で歩いてみたいという想いが日増しに強くなっていきました。あえて安全な港を離れ自分の手で舵を握る生き方を選びたかったのです。そうして選んだフリーランスという道はまさに荒波の連続でした。
スタートアップの現場に身を置くとそこには決まった航海図など存在しないことがすぐにわかりました。明日の方角すら霞の中にあるような不確実な状況のなかで私たちは目の前にある手がかりだけを頼りに手探りで道を作っていきます。要件が固まりきっていない難所であっても柔軟に方向転換を繰り返し少しずつ形にしていく。そのプロセスはまるで誰も見たことのない景色を探す冒険そのものです。
ある日の夜遅く静まり返った部屋でパソコンの画面を見つめているとふと幼い頃に夢中で折った一枚の紙飛行機を思い出しました。風の向きや投げ出す角度によって飛行機が描く軌跡は驚くほど変わります。どれほど慎重に折っても思い通りに飛ばないこともあれば予期せぬ風を受けて驚くほど遠くまで飛んでいくこともあるのです。
プロダクト開発もまさにそれと同じなのかもしれません。完璧な計画を立てることも大切ですがそれ以上に現場で起きる小さな変化や予期せぬ風を敏感に感じ取りながら柔軟に対応していく姿勢が何よりも求められます。不確実性を恐れるのではなくむしろその揺らぎを面白がりながら新しい価値を生み出していく。
明日もまたどんな波が待っているかわからない大海原へと漕ぎ出していきます。目の前にある課題に向き合いながらまだ誰も見たことのない景色を仲間とともに見つけ出すために。自分なりの誠実さと丁寧さを胸に今日も一歩ずつ手探りで進んでいきたいと思っています。