初めて来たライブで、私はずっと裏方を見ていた
その日はMelty R.I.P.の最後のライブ「Melty glitter」だった。
会場はSpace Odd。以前この場所に来たときと同じように、2階のチケットを選んだ。
違ったのは、今回はたまたま配信スタッフのモニターがよく見える位置だったこと。
まさかそれが、ライブの中で一番夢中になった時間だとは思っていなかった。
2階の観客席の隣に、4人のスタッフが座っていた。初めて見る光景だったので、もちろん、それぞれの役割はあくまで推測だ。ガラスの前にいたのはおそらく照明担当、角の3人はオンライン配信担当で、それぞれ配信音声、映像切り替え、チャット監視を担っているようだった。こんなに近くでスタッフの仕事を見たのは初めてで、気づけばパフォーマンスの間中ずっと、視線は彼らに向いていた。
一番観察しやすかったのは映像切り替えを担当していた人だ。目の前にタブレットのようなものがあって、歌詞か、あるいはどのシーンをどう切り替えるかのメモなのか、何かを確認しながら作業していた。前には大きなモニターがあり、右上が配信中の映像、左上がプレビュー、下には8つのカメラ映像がリアルタイムで並んでいた。8つの映像から一つを選び、プレビューに映す。そしてタイミングを見て、本番映像へ切り替える。それが彼の仕事のようだった。
8つの小窓のうち、3つは現場カメラ、2つはバーチャルの世界のカメラだった。バーチャルカメラの1台は全体を映す固定アングル、もう1台は動的なアングルで、全体と個人の視点を切り替えながら動いていた。残りの3つは遠くて判別できなかったが、おそらく開演前のスタティック画面や、昼公演・夜公演終了時のサイン画面ではないかと思う。
Melty R.I.P.は2人組だが、バーチャルの動的カメラは1台しかない。そのため、メンバーAからメンバーBに切り替えるには、その動的カメラのフレーミングに頼るしかない。プログラム制御なのか人間が操作しているのかはわからないが、なかなかコントロールが難しい状況だ。実際に何度か、動的カメラに切り替えた直後にアングルがすぐ変わってしまう場面があった。配信を見ている視聴者には切り替えが多すぎると感じるかもしれないが、隣でスタッフの手元を見ていた私には、それがミスではなく、リアルタイムの判断の中で避けられない状況だとわかった。
私自身も複数カメラで映像を作ったことがある。ただしそれは事後編集で、ライブ配信ではない。最初は2台のカメラとズームだけでやっていたが、画面のバリエーションを増やしたくて3台に増やした途端、人員管理の難しさをすぐに感じた。カメラが増えれば選択肢が増えて映像も豊かになるが、1台増えるごとに人手も増え、管理の複雑さも増していく。
ライブ配信の難易度は、その比ではない。
彼らがあの公演全体を安定して届けていたのを見て、「裏方」というものへの見方が変わった。以前は裏方はただのサポートだと思っていたが、あの日から裏方も一つの“表現”そのものだったと感じるようになった。長年アイドルを応援してきたファンが画面の向こうからでもこの最後のライブに参加できるよう、高度な経験と技術が必要とされる仕事。誰かの人生のために行われる仕事だ。
こういう視点で物事を見る癖は、自分がパフォーマンスに関わるようになってから身についたものだと思う。どこに行っても、制作の裏側を見ずにはいられない。私にとっては、それがパフォーマンスそのものより夢中になってしまうことが多い。今回は台湾の友人が参加するというので一緒に来ただけで、まさかこんな収穫があるとは思っていなかった。ライブの終盤、ファンたちが涙を流しながらアイドルたちの最後の姿を迎える場面を目にした。その光景を見ながら、ステージの裏側で支えていた人たちへの敬意が、以前よりずっと強くなった。