技術という名の架け橋
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こんにちは!前嶋拳人です。
フリーランスのエンジニアとして活動している今、仕事というものは、ただ機能を作るだけの作業ではないと強く感じています。それは遠く離れた誰かと誰かの間に、目には見えない架け橋をかけていくような行為です。私が最初に勤めた会社では、巨大な金融システムを扱っていました。そこでは、橋は強固でなければならず、何十年もの間、重い荷物を運んでも決して壊れないことが至上の命題でした。設計図に忠実であること、それが何よりも尊いとされる世界でした。
しかし、スタートアップの支援に携わり、自ら独立してからは、橋のかけ方が大きく変わりました。今求められているのは、重厚長大な建造物ではありません。急な増水にも、風向きの変化にもしなやかに対応できる、柔軟で軽やかな橋です。時には作りかけの橋の上で、歩きながら設計図を描き直すようなスピード感が求められることもあります。この変化こそが、今の私の仕事の面白さであり、醍醐味でもあります。
エンジニアリングの本質は、言葉にできない誰かの困りごとを、コードという形あるものに翻訳して解決することにあります。私たちが書く一行一行のコードは、橋を支える一本一本の梁です。どんなに優れた技術を詰め込んでも、それを利用する人の心が置き去りになっていては、誰にとっても渡れない橋になってしまいます。私は常に、その橋を渡る人の足元を想像しています。その人はどんな服を着て、どんな気持ちでそこを通るのか。そんな些細な想像力が、結果としてシステムの使いやすさや、心地よい操作感に繋がっていくのだと信じています。
大手で学んだ堅実な足場作りと、新しい現場で習得した柔軟な応用力。その二つを両手に携えて、私は今日も新しい架け橋を設計しています。時には技術の進化があまりにも速く、自分が置いていかれるような焦りを感じることもあります。それでも、画面越しに誰かの顔を思い浮かべると、またキーボードを叩く指先に力がこもります。技術というのは、どこまでいっても人のためにある道具でしかないからです。
三十代という年齢は、これまでの経験を振り返りつつ、未来へ向かって新しい挑戦をするのに適した季節だと感じています。成功も失敗も、すべてが次の橋をかけるための大切な材料になります。どんなに小さな橋であっても、それが誰かの役に立ったという実感が、私をここまで歩ませてくれました。
この先、どんな技術が登場しても、エンジニアという仕事が持つ本質は変わらないはずです。それは、誰かの願いを形にするということ。その想いを胸に、私はこれからも、画面の向こう側に広がる広い世界へ向かって、自分だけの架け橋をかけ続けていきます。完成を目指す旅はまだまだ続きます。どんな嵐が来ても、しなやかに揺れながら、誰かと誰かを繋ぐ場所を、私はこれからも作り続けていきたいと思っています。