はじめての営業職は、光回線の訪問販売でした。
正直に言えば、当時の自分には実績も経験もまったくなく、「営業って何をする仕事なんだろう…」というレベル。
ピンポンを押すだけで緊張して手のひらが汗ばむような、本当に“ゼロ”のスタートでした。
最初の数週間は、うまく話せずに門前払いされることのほうが圧倒的に多く、
「自分には向いてないんじゃないか」
「もう帰ってしまいたい」
と心の中で何度も弱音を吐いていました。
でも、不思議なもので、続けていると少しずつ感覚が変わってきます。
── 断られても、また次の家に行く
── どうすれば立ち止まって話を聞いてくれるのか試してみる
── 昨日より今日、今日より明日、ほんの少しだけアップデートしてみる
そんな毎日の小さな積み重ねが、やがて成果につながり始めました。
朝から晩まで外を歩き回り、雨の日は靴の中まで濡れ、真夏は汗でシャツが絞れるほど。
決して楽な環境ではありませんでしたが、ここで“継続力”と“メンタルの強さ”、そして“現場で学ぶ姿勢”が鍛えられました。
そして何より大きかったのは、
「相手の生活や状況を理解しないと絶対に売れない」
ということを身体レベルで学んだことです。
「子どもが昼寝しているから今はダメ」
「ネットに詳しくなくて不安」
「前に別の営業さんで嫌な思いをした」
一軒一軒、断られる理由が違っていて、その“背景”を理解しないと一歩も前に進めませんでした。
だからこそ、相手の言葉だけでなく、表情や空気、家の雰囲気まで丁寧に汲み取り、
“売る”前にまずは“理解する”。
そんな姿勢が自然と身についていきました。
この時期に身についた「素直さ」と「粘り強さ」、そして“人を理解することから始める”という姿勢は、今の自分の営業スタイルの大きな土台になっています。