海へ通うようになってから、
海へ通うようになってから、
小さな変化に気づけるようになりました。
朝の風のにおい。
空の色。
波の音。
潮の満ち引き。
以前なら通り過ぎていたものに、
自然と目が向くようになった気がします。
「今日は風がやさしいな」
「空が夏っぽくなってきたな」
「海の色がいつもと違うな」
そんなふうに季節を感じる瞬間が、
少しずつ増えていきました。
海は、潜る楽しさだけじゃなく、
“感じる楽しさ”も教えてくれます。
急がなくてもいいこと。
立ち止まって見てみること。
静かに耳を澄ませること。
海の前では、
それがとても自然なことになります。
ただ波を眺めているだけの時間も、
ボートの上で風を感じている時間も、
なぜか心地いい。
何かを頑張っているわけじゃないのに、
心が満たされていく。
海には、
そんな時間が流れています。
そして気づけば、
海の中だけじゃなく、
日常の過ごし方まで少し変わっている。
以前より、
深呼吸する回数が増えた気がします。
空を見上げることも増えました。
少し疲れた日でも、
「また海へ行けるし」と思えるようになりました。
海があるだけで、
毎日に楽しみがひとつ増える。
それはとても大きなことです。
ライセンスを取ったあの日には、
まだ知らなかった感覚。
でも今は、
そのひとつひとつが自分の中にしっかり残っています。
海へ向かう朝のわくわくも。
潜る前の緊張も。
水中で感じる静けさも。
浮上したあとの安心感も。
帰り道の心地よい疲れも。
全部まとめて、
海の楽しさなのだと思います。
だからまた、
自然と海へ向かいたくなる。
「潜りたい」だけじゃなく、
「あの時間に会いたい」
そんな気持ちで。
海のある暮らしは、
今日も静かに続いています。
そしてまた次の休日、
きっと私は海へ向かっています。
— 海沼葵衣