マンションの配管材質について──硬質塩ビ管・亜鉛メッキ鋼管の特徴と注意点
■ はじめに
マンションの配管は、普段目に触れることが少ない設備ですが、
建物の寿命や災害時のリスク、漏水事故の発生しやすさを大きく左右する重要な要素です。
今回は、マンションでよく使われる
「硬質塩ビ管(VP・HIVP)」「亜鉛メッキ鋼管」 を中心に、
その特徴や注意点をわかりやすくご紹介します。
◆ 1. マンションで使われる主な配管材質
● ① 硬質塩ビ管(VP管・HIVP管)
マンションの共用給水・排水にも広く用いられている樹脂製の配管です。
◎ 特徴
- 腐食しにくく、軽量で施工が容易
- 耐薬品性が高い
- 錆が出ないため水質への影響が少ない
- 費用が比較的安価
▲ 注意点
- 地震時に衝撃を受けると“割れ”が発生することがある
- 高温・直射日光には弱い(外部配管は劣化しやすい)
- 経年で弾性が低下し、継手部に負担がかかることも
→ 耐震金具や支持間隔の適正化が非常に重要です。
● ② 亜鉛メッキ鋼管(白ガス管)
1970〜1990年代のマンションに広く使われた金属製の配管。
◎ 特徴
- 強度が高く、耐圧性に優れる
- 当時の技術では“最も一般的な給水管材”だった
- 現在も一部で採用されている
▲ 注意点
- 内部が錆びやすい(赤水の原因)
- 経年劣化で“ピンホール(針穴)漏水”が発生する
- 腐食が進むと漏水事故が起こりやすい
- 耐用年数の目安:20〜30年程度
→ 築20年以上のマンションでは、更新・更生工事の検討が必要になるタイミングです。
● ③ 架橋ポリエチレン管(PE-X・エルボレス)
2000年以降の新築マンションで多く採用されている樹脂管。
◎ 特徴
- 施工性が高く、継手が少ない
- 錆びず、腐食しない
- 長寿命(耐用年数は30〜40年以上とされる)
▲ 注意点
- 高温状態で長期間使用すると性能が低下する可能性
- 固定金物の不具合で“こすれ音”が出ることも
→ 現在の主流で、総合的にリスクが低めの材質です。
◆ 2. 災害時(地震・停電)に起こりやすい配管トラブル
●(1)配管の亀裂・抜け
硬質塩ビ管は揺れによって割れることがあり、
亜鉛メッキ鋼管はねじ継手部分が緩むケースがあります。
→ 破損後に給水を再開すると、大量漏水につながる危険。
●(2)赤水・濁り水
亜鉛メッキ鋼管では地震後に錆が剥がれ落ち、
一時的に水が赤く濁ることがあります。
●(3)排水管の破損
地震による排水管のズレや破損は、
下階への漏水被害を広げる原因となります。
→ 管理組合は 状況確認まで排水制限(トイレ使用禁止) の判断が必要になるケースも。
◆ 3. 配管材質に応じた管理組合の“見るべきポイント”
● ■ 硬質塩ビ管
- 振動・揺れで割れやすい箇所の点検
- 支持金物の状態確認
- 屋外配管の紫外線劣化の有無
● ■ 亜鉛メッキ鋼管
- 赤水・鉄分の発生状況
- 過去の漏水履歴
- 継手の腐食状況
- 20年以上経過している場合、更生工事や更新工事の検討が必要
● ■ 架橋ポリエチレン管
- 施工不良(固定金具の緩みなど)の確認
- 長期的な劣化状況を定期点検で把握
◆ 4. ブログにそのまま使える説明文(住民向け)
【当マンションの配管材質と災害リスクについて】
マンションの配管には、硬質塩ビ管や金属管など複数の材質が使用されています。
材質によって、寿命や災害時の弱点が異なります。
- 硬質塩ビ管 :腐食しない反面、揺れで割れやすい
- 亜鉛メッキ鋼管 :強いが、内部が錆びやすく漏水の原因になりやすい
- 架橋ポリエチレン管 :新しいマンションで多く採用、錆びが出ない
これらの特性を踏まえ、管理組合では定期点検と設備更新の検討を行い、
災害時の漏水リスクを減らすよう努めています。
今後も、建物と設備の状況を確認しながら、
必要な修繕計画を進めてまいります。