【新堀武司】「エクセルが嫌い」から始まった私のキャリア戦略
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私はフリーランスのシステムエンジニア兼IT戦略コンサルタントです。金融機関の勘定系という超巨大なシステム開発から、外資系コンサルでの経営層への提言まで、キャリアを歩んできました。そんな私ですが、実はキャリアの原点にあるのは、非常に個人的で、そして多くの人が共感するであろう「嫌いなもの」です。
それは、エクセルです。
もちろん、業務で使いますし、データ分析やプロジェクト管理には不可欠なツールだと理解しています。ただ、私はエクセルで管理された表を見ると、なぜか胸がざわつくのです。
なぜなら、エクセルは、世界で最も優秀で、同時に最も危険な「レガシーシステム」だと考えているからです。
エクセル自体が悪いわけではありません。悪いのは、「エクセルで何でも解決しようとする組織文化」です。
プロジェクトの進捗、社員の評価データ、顧客リスト、予算計画。これら全てが、担当者個人のローカルファイルの中に散らばり、誰かが手動でコピー&ペーストして、マクロを組んで動いている。そのファイルが一つ壊れたり、担当者が退職したりしたら、そのビジネスプロセス全体が停止してしまう。これはまさに、私の前職であるメガバンクの勘定系システムが持つべき「堅牢性」とは真逆の、極めて脆弱な状態です。
エクセルに依存している企業は、「目の前の問題を最速で解決する」という局所最適化を選び続けています。その結果、全社的なデータの整合性や、将来的なビジネスの拡張性という観点を失ってしまう。一時的には便利なのですが、気づいたときには、誰も手をつけられない「属人化の塊」と化してしまうのです。
私がシステムエンジニアとして、そしてコンサルタントとして一貫して取り組んできたのは、この「エクセル依存症」からの脱却支援だと言えます。
メガバンク時代、私たちはどんな小さな変更でも、全行のシステムに影響を与えないか、何重にもチェックしました。その徹底した「全体最適化」の視点と、外資系コンサルで培った「データは会社の資産である」という経営的な視点を持ち合わせることで、初めて企業のエクセル問題を根本から解決できます。
私の提案は、単に新しいクラウドツールを導入することではありません。 まず、エクセルファイルに隠されている「真のビジネスプロセス」を徹底的に洗い出し、それを標準化・自動化する仕組みを設計します。そして、そのデータが持つ意味や、他の部門との繋がりを明確にし、データ全体を一つの統合されたシステム(データベース)として捉え直す視点を経営層に持ってもらうこと。
「エクセルが嫌い」という、一見ネガティブな動機から始まった私のキャリアですが、それは「属人化をなくし、会社全体を一つの堅牢なシステムとして機能させたい」という強い使命感に変わりました。
私は今、フリーランスとして、大企業からスタートアップまで、この「エクセルに依存しない、持続可能なビジネス基盤」の構築を支援しています。
もしあなたの会社が、誰も開けられないパスワードのかかったエクセルファイルに怯えているなら、それはビジネス成長の大きなチャンスを逃している証拠です。技術力とビジネス視点の両方から、その負の遺産を「動く資産」に変えるお手伝いができます。
ぜひ一度、あなたの会社のエクセル事情を教えてください。一緒に、エクセルに依存しない、自由な組織を作っていきましょう。