【相続の不動産で揉めないために】
【相続の不動産で揉めないために】
不動産鑑定士が解説する“正しい相続の進め方”
相続トラブルの中でも、最も揉めやすいのが不動産です。
現金と違い、「分けにくい」「評価が分かりにくい」「感情が入りやすい」という三重苦を抱えているためです。
私は不動産鑑定士として、数多くの相続案件に関わってきましたが、
実は揉める相続には共通した原因があります。
本記事では、専門家の視点から
不動産相続で争いを防ぐための正しい進め方を解説します。
なぜ不動産相続は揉めやすいのか
① 評価額が一つではない
不動産には
- 固定資産税評価額
- 路線価
- 実勢価格(時価)
など複数の「価格」が存在します。
相続人それぞれが自分に有利な価格を主張すると、話し合いは一気にこじれます。
② 物理的に分割できない
土地や建物は、簡単に均等分割できません。
「誰が取得するのか」「代償金はいくらか」という判断が必要になります。
③ 思い出・感情が絡む
実家や先祖代々の土地には、感情的価値が加わります。
この感情が、冷静な話し合いを難しくします。
不動産鑑定士が考える「正しい相続」の基本原則
原則① まず“正確な時価”を把握する
相続の土台は、公平な不動産評価です。
不動産鑑定士による評価では
- 立地条件
- 利用状況
- 市場動向
- 法的規制
を総合的に分析し、客観的な時価を算出します。
感覚やインターネット情報ではなく、
第三者の専門的評価を基準にすることが重要です。
原則② 相続方法を冷静に選択する
不動産相続には主に次の方法があります。
- 現物分割:特定の相続人が取得
- 代償分割:取得者が他の相続人に金銭を支払う
- 換価分割:売却して現金で分ける
- 共有:複数人で所有(※将来的トラブルが多い)
鑑定評価を基に、
家族構成・資金力・将来の利用予定を考慮して選ぶことが大切です。
原則③ 「早めの準備」が最大の対策
相続は「発生してから」では遅いケースも多くあります。
- 生前の不動産評価
- 遺言書の作成
- 家族間での事前共有
これらを行うことで、相続人同士の誤解や不信感を未然に防げます。
不動産鑑定士が関与するメリット
✔ 公平性・客観性が担保される
✔ 税務・法務の専門家と連携できる
✔ 感情論から距離を置ける
✔ 話し合いがスムーズに進む
「専門家を入れると大げさ」と思われがちですが、
揉めてからのコストと精神的負担を考えると、早期相談は合理的な選択です。
まとめ:相続の不動産は「感情」より「根拠」
不動産相続で最も大切なのは、
感情論ではなく、根拠ある判断です。
そのために
- 正確な不動産評価
- 冷静な相続方法の選択
- 専門家の関与
これらを意識することで、
「争族」ではなく「納得の相続」に近づけます。