【畑耕平とは何者なのか?】YouVoice Academy(ユーボイスアカデミー)講師が歩んできた、挫折からYouTubeナレーター市場開拓への軌跡
株式会社Adroaig代表取締役であり、オンラインスクール「ユーボイスアカデミー(YVA)」の講師も務める畑耕平。
現在でこそ、彼はYouTubeナレーター界のパイオニアとして認知され、数多くの案件を抱える経営者です。
しかし、畑耕平は決して「最初から才能に恵まれた」っという訳ではありませんでした。
その裏にあるのは、声優という夢の断念、海外での路上生活、そして信じていた会社の社長失踪という、あまりに過酷な「挫折の連続」でした。
本記事では、畑耕平という人物がどのようにして絶望の淵から這い上がり、現在のポジションを確立したのか。
その壮絶な軌跡と、彼が見出した「市場の勝機」についてご紹介していきます。
「1件370円」の現実と、夢の断念
畑の声優としてのキャリアのスタートは、「周囲と同じような生き方をしたくない」「自分にしかできない表現で何者かになりたい」という強い想いからでした。
決して裕福とは言えない家庭環境の中、アルバイトを掛け持ちして入学金20万円、年間50万円の学費を捻出し、必死に養成所へ通う日々。
その努力の末に、彼は一度は「声の仕事」に就くことができました。
しかし、そこで待っていたのは残酷な経済的現実です。
畑が直面したのは、とあるゲームのキャラクターボイスを全て1人で担当しても、その報酬が「たった370円」という現実でした。
「才能がない自分が、好きなことで生きていくなんて不可能なんだ」
既存の声優業界はレッドオーシャンであり、トップ層以外が生活するのは極めて困難。
「声で食べていくこと」に限界を感じた畑は、自身の夢を完全に諦める決断をしました。
最期(さいご)の場所を求めたオーストラリアでのホームレス生活
25歳。
夢を捨て、最期の場所を探すように渡ったオーストラリア。
そこで彼を待っていたのは、さらに過酷な現実でした。
所持金が尽き、公園で寝泊まりをするホームレス生活。
空腹に耐えかね、地面に落ちていたピザを拾って食べたこともあります。
しかし、その極限状態が彼の死生観を変えました。
「人の恐怖など実体のないものだ」と。
すべてを失ったことで一種の達観を得た彼は、「人間社会も捨てたものじゃない」という現地の温かさにも触れ、畑は日本への帰国を決意します。
何度も命の危険な状況まで陥りましたが、死生観が変わった結果「案外大丈夫だ」ということに気づきました。
「オーストラリアはオーストラリア人を大事にする国」という事を知り、「自分たちの国を大事にする社会もちゃんとあるんだ」と思った結果「人間社会も捨てたものじゃない」と思いました。
180万円の損失
帰国後、友人がイベント会社を立ち上げるので力を貸してほしいと頼まれて就職しました。
「これからは普通に生きていこう」
そう決めた矢先、信じがたいトラブルが彼を襲いました。
勤務先の社長が、突如失踪。
給料半年分の未払いと経費の立て替え分、合わせて約180万円が一瞬にして消え去りました。
25歳。
夢もなく、職もなく、金もない。
「生きるために、金が必要だ」
その切実な生存本能が、皮肉にも彼を再び「声の仕事」へと向かわせることになります。
かつて諦めた夢としてではなく、生き残るための「手段」として、彼はなりふり構わず泥臭い営業活動を開始しました。
個人事業「Adroaig」の誕生と、最初の仲間
「声」を武器にあらゆる案件を泥臭く営業をし受注し続ける中で、畑の生活は次第に安定を取り戻していきます。
しかし、一人で稼ぐ限界を察知していた彼は、この時期に個人事業としての「Adroaig(アドロイグ)」を立ち上げます。
この時、畑のもとに集まったのが、現在も活動を共にするナレーターのヤシロこーいちさんでした。
※ヤシロこーいちさんについてはこちら
「自分一人ではなく、チームで価値を生み出す」
後に法人化へと繋がるこの組織化の種は、皮肉にもどん底の生活から這い上がるための「生存戦略」として、この瞬間に撒かれていたのです。
こうして布陣を整えつつあった畑に、運命を変える依頼が舞い込みます。
「漫画動画」との出会い
転機が訪れたのは2019年頃。
あらゆる案件に応募し続けていた彼のもとに、あるYouTubeチャンネルのナレーション依頼が舞い込みました。
それが、後に登録者数ランキングで上位に入ることになる『ヒューマンバグ大学』です。
当時、YouTubeにおける「漫画動画」は黎明期。
当時依頼がきた時の登録者は7人ほどでした。
そこで求められていたのは、アニメ声優のような豊かな表現力をベースにしつつ、動画のテンポに合わせて情報を的確に届ける「ナレーション技術」の両軸でした。
畑はこの領域にいち早く適応。
同じくこのスタイルに完璧に合致したヤシロこーいちさんもまた、現場で目覚ましい活躍を見せ、新市場におけるAdroaigの快進撃を支える原動力となりました。
「声優」という既存市場では埋もれていた彼が、急成長するYouTubeという「新市場」においては、替えの利かない人材として重宝され始めたのです。
プレイヤーとして2年の出演期間を経て、その卓越したスキルと知見を活かし、現在ではナレーター陣を指揮する統括を担っています。
プレイヤーから経営者、そして教育者へ
漫画動画市場が爆発的に拡大する以前から、畑はすでに「個」の限界を見据えて組織化を進めていました。
その後、自らYouTubeチャンネルを立ち上げたことを契機に、株式会社Adroaigを設立。
自社チャンネルの運営、そしてナレーター全体の統括へと、その活動の幅を一気に広げていったのです。
その中で、
「もし、プロの声優が参入してきたら仕事を奪われるのではないか?」
当初は周囲からそんな懸念の声もありました。
しかし畑は、YouTube独自の収益構造にこそ勝機を見出していました。
広告収益モデルで動くYouTubeにおいて、制作側の最大の課題は「継続可能なコストで、いかに視聴者を離さないクオリティを維持するか」にあります。
畑はこの「クオリティとコストのバランス」という、従来の業界にはなかった新たなニーズにいち早く応えました。
収益性と継続性を担保する唯一無二の存在として市場に定着しました。
結果として、急成長する漫画動画市場のシェアをまたたく間にリードする存在となって言ったのです。
現在、彼が力を入れているのが「後進の育成」です。
株式会社ケイコンテンツ(ヒューマンバグ大学などの映像制作をしている企業)が牽引する漫画動画市場の拡大に伴い、次々と新たな作品が誕生する中、畑のミッションもまた進化を遂げています。
当初は少数精鋭の組織を理想としていましたが、現在は「どんな作品が来てもAdroaig(アドロイグ)で完結できる体制」を目指し、多彩な声優陣の確保と育成に注力しています。
現場で確信したのは、プロのアニメ声優以上に、センスのある未経験者が漫画動画の独特なテンポに合致するケースも多いという事実です。
自身の経験を体系化し、新たな才能が「声」で食べていける土壌を広げること。
それが、市場の最前線に立つ彼の現在の使命となっています。
最後に
畑耕平のキャリアが証明しているのは、「成功する人=天才」ではないという事実です。
畑耕平は生まれながら特別な才能を持っていたわけでも、環境に恵まれていたわけでもありません。
「既存のレール」がダメなら、「新しいレール(YouTubeナレーター)」を探し、そこに全力で適応した。
その泥臭い実践の連続が、現在の彼を作っているのです。
こうした市場の変化を読み解き、未経験からでも「仕事」として声を武器にするための、極めて実践的な生存戦略なのです。
畑耕平が運営する、「YouVoice Academy(ユーボイスアカデミー)」