先日、ある経営者とSNSの話をしていました。SIer出身で、専門性の高い方です。
その方は、SNSがあまり好きではないと言います。
理由を聞くと、
「入門的な知識ほど広がりやすい」
「うまくいった人の話ばかりが目立つ」
「簡単そうに語られているけれど、実際はそんなに単純じゃない」
という話でした。
実際に経験している人ほど、
「それだけではうまくいかない」
「大事なところが抜けている」
という部分まで見えてしまう。
AIについても同じで、
実際に使っているからこそ、
「その使い方で、本当に仕事が良くなるのか?」
と思うことがあるそうです。
だからSNSを見ていると、
「これは、誰に何を伝えるための発信なんだろう?」
という疑問が出てくる。
一方で、発信している人には、その人なりの経験や、伝えたい相手がいる。
見る側にも、それぞれ違う知識や経験がある。
そう考えると、SNSにいろいろなレベルの情報が混ざるのは、ある意味当然なのかもしれません。
そんな話をしていて、
『そもそも、SNSって何のためにあるんだろう。』
と考えました。
情報の正確さだけで考えると、SNSより適した場所はいくらでもあります。
専門的なことを知りたいなら、専門家に聞いたり、一次情報を調べたりした方がいい。
では、SNSにしかないものは何か。
私自身、SNSがなければおそらく知り合うことがなかった経営者や専門家がいます。
仕事上の接点もなく、所属する業界も違う。
それでも、たまたま投稿を見かけたり、誰かのコメントから存在を知ったりして、そこから話をするようになった人がいます。
中には、その後仕事で関わるようになった人もいます。
最初から、「この人とつながろう」と思っていたわけではありません。
お互い別の場所で、それぞれスマホを見ていただけ。
でもSNSの中では、そういう偶然の接点が日々つくられている。
そう考えると、SNSに求めるものは少し違うのかもしれません。
すべての情報が正しい必要はないし、すべての投稿が自分に役立つ必要もない。
『本来なら知り合わなかった人を知ることができる。』
私は、そこにSNSならではの価値があると思います。
まだ知らない経営者同士が、気づかないうちに同じネットワークの中にいる。
SNSは、知識を学ぶための教科書というより、
『偶然の接点をつくる場所。』
そんなふうに考えています。