Designing the Essence / 本質を設計する
Photo by Andreas Niendorf on Unsplash
仕事の合間に、私はよく夜の散歩をする。
街灯の下で影が伸びたり縮んだりするのを眺めながら、「物事の輪郭は、光よりも影のほうがよく教えてくれる」そんなことを考える。
監査や法務の世界で過ごした時間は、“正しさ”よりも“前提”を疑う癖を私に残した。メディアやコンサルの現場では、情報の多さが必ずしも価値につながらないことを学んだ。
むしろ、余白のほうが人を動かすことがある。だから私は、ブランドでも、プロジェクトでも、組織でも、まず“静けさ”をつくるところから始める。ノイズが消えた場所でようやく、本当に扱うべき問題が姿を現すからだ。
プライベートでは、本棚の一番下に置いてある古い建築写真集をよく開く。無駄のない線、光の入り方、余白の強さ。そこには、言葉よりも雄弁な“構造の美しさ”がある。仕事のヒントは、案外こういう静かな場所に落ちている。
本質は派手な場所には落ちていない。静かに、正確に、丁寧に拾い上げるものだ。その積み重ねが、価値の構造をつくり、未来を形づくる。
私はこれからも、光と影のあいだにある“本質”を設計し続けていく。