1.胃薬の重複は算定の「絶好のチャンス」
複数の医療機関を受診している患者さんにおいて、胃薬の重複は非常によくあるケースです。しかし、厚生労働省の報告書でも示されている通り、処方理由が判然としないまま漫然と継続されている薬剤を整理することは、高齢者の安全性を高める上で非常に重要です。
特に**「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」と「防御因子増強薬(レバミピド等)」の併用**は、介入の余地が多分にあります。
2.算定を後押しする「エビデンス」
医師へ文書提案を行う際、強力な武器になるのが診療ガイドラインの根拠です。
- 上乗せ効果の限定性:『消化性潰瘍診療ガイドライン2020』では、PPIと防御因子増強薬を併用しても、PPI単独投与と比較して潰瘍治癒の上乗せ効果は得られないとされています。
- 出血予防の十分性:低用量アスピリン(LDA)服用者における潰瘍再発予防にはPPIの併用が強く推奨されており、すでにPPIが処方されていれば、粘膜保護の観点からは十分であると評価できます。
こうしたエビデンスを文書(トレーシングレポート等)に添えることで、提案の説得力は格段に増します。
3.現場で必ず確認すべき3つのポイント
服用薬剤調整支援料2を算定するためには、薬剤師が総合的な評価を行う必要があります [Text]。投薬時に以下の3点は必ず確認し、記録に残しましょう。
- 症状の経過:現在の胃の症状(痛み、もたれ等)が安定しているかを確認します。
- 服薬状況と残薬:特に「疼痛時」などで処方されている場合、実際には使用せず残薬となっていないかを掘り下げます。
- 情報提供への同意:医師への提案内容や目的を説明し、患者さんの同意を得ることは必須要件です [Text]。
※評価の根拠として、お薬手帳のコピー(複数医療機関の処方がわかるページ)を保管しておくことも忘れずに行いましょう。
4.【事例紹介】60代女性Aさんのケース
ブログ内では、以下の処方内容からどのように「レバミピド」の減薬提案へ繋げるか、具体的なシミュレーションを掲載しています。
- C病院:ランソプラゾールOD錠15mg、酸化マグネシウム錠330mg、アミティーザ24μg
- Dクリニック:エリキュース錠5mg、バイアスピリン錠100mg、ロキソプロフェンNa錠60mg、レバミピド錠100mg
このケースで「なぜレバミピドを減らせるのか」、そのロジックを詳しく解説しています。
リンク先
https://yakugan.com/archives/1976