年賀状の減少、手紙に対する想い。 時事雑感(61)
*この記事はnoteに公開したものを転載したものです。
長年にわたり、年賀状の数が減少を続けています。
電子メールやSNSの普及を考慮すれば当然ともいえます。
しかし、一抹の寂しさを覚えもします。
郵便の今を、追ってみましょう。
①年賀状の減少、一方郵便物全体では?
(参照 TBS NEWS DIG ほか)
年賀状・郵便物の減少率(2025年度)
- 郵便物全体では117億5103万通で24年連続減少。前年度比6.5%減。
- うち年賀状は5億710万通で、前年度比27.1%減。
- 国際郵便物は2177万通で、前年度比6.2%減。
大きな要因は二つ。
SNSの普及、2024年の料金値上げ(ハガキ63円→85円)が挙げられます。
国際郵便物に関しては、アメリカ向けの郵便物引き受けを一部停止した特殊要因があります。
それでは年賀状や郵便物についての雑感に移ります。
②今日の雑感
記事を読んだ上で、気づいたことを少々。
特筆すべきは、2025年度に日本郵便が扱った全郵便物は約117億通、うち年賀状は約5億通で全体の わずか4%程度にすぎません。
さらに、年賀状は「はがき」なので、ゆうパックや速達などに比べ単価は低いです。
この二点を踏まえると、もはや「郵便局の主力商品」という位置づけではないのかもしれません。
そのうえ、年始という短くて社会が“お休みモード”の時に、広範囲に少ない郵便物を配達するというのは割に合わないというのもあるでしょう。
SNSの普及で郵便物が減少しているのは、国際的に同様です。
各国の対応を見ると、やり方に違いはありますが方向性は一致しています。
代表的な例を、以下に挙げてみます。
- 「物流・EC特化」へのシフト:ドイツ
物流大手(DHL)を買収し、手紙ではなく「世界最大の物流企業」として収益を上げる構造へ転換。 - 「公共インフラ」としての多角化:フランス
郵便局の窓口で銀行・保険業務だけでなく、高齢者の見守りや行政代行サービスを幅広く展開しています。 - 配達頻度やサービス基準の見直し:北欧諸国(スウェーデン等)
コスト削減のため「毎日配達」を廃止し、1日おきや週数回の配達へと大胆にサービスを簡素化しています。
日本郵便も配送メニュー(ゆうパックなど)を増やし、金融や保険業務への参入、配達速度の調整をしているという点で重なります。
それによって弊害が出ているのも、おそらく同様だと思います。
はがきの値段そのものも、大きく変わりました。
30年前の1996年、はがき一通の値段は50円でした。
消費税導入前の1980年頃は40円という時代もあったそうです。
まだ携帯電話やメールが普及していない時代は、多くの人が大量の年賀状を出していました。
私自身も、数十枚の年賀状を書いた経験があります。
今ほど一人暮らしの世帯も多くなく、家族で暮らす家庭が一般的でした。
裏を返せば、一軒の家に数十枚から数百枚の年賀状が届けられたという事になります。
その分一枚当たりの配送コストは低く、低単価でも利益を出せたのでしょう。
郵便と言えば、私にとって忘れられないアニメがあります。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」です。
登場人物たちの境遇や世界観について、ここでは触れません。
人から人へと“想い”が手紙を通じて届けられるなかで、
登場人物たちに“変化”が訪れていく作品です。
映像としてのクオリティもさることながら、
その物語に幾度となく涙をにじませた作品です。
そんな記憶もあり、
すべてを電子化することには、
何ともいえない寂しさを感じます。
時代が流れ、
社会が移り変わる中で、
これからも新しい物語が生まれていくことでしょう。
でも、古くても良いと思えるものも継承していければ、と思います。
きっと、その方が人生が豊かになるはずです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
気が向いたらまた、ふらりと寄って行ってください。