AI時代にもデザイナーが必要な理由
AIは「情報の優先順位」が分からない
近頃は一般の人でも、生成AIを使えばきれいな画像を作ることができます。
しかし、AIが生成した画像をそのまま使うのでは、
「デザイン」にはならないことがほとんどです。
その理由は、AIは「情報の優先順位」が分からないからです。
商業デザインの多くは、優先順位の異なる情報が混在しています。
例えば、SNS広告(バナー広告)であれば、
だいたいこんな情報が書かれているのが一般的です。
- 商品・サービス名
- 商品の特徴やベネフィット
- 価格
- キャッチコピー
- 商品・サービスの画像
デザイナーはこれらの情報に対して、見る人に伝えるべき優先順位を考えながら、
見せ方やレイアウトを決めていきます。
ですが、AIの場合は情報の優先順位が分からないので、
すべての情報が同じ強度で表現されてしまったり、
優先すべき情報が目立たなくなってしまったりします。
また、商品やサービスの雰囲気や、ターゲットが好むデザインと
かけ離れたものになることも珍しくありません。
AIが作るデザインと、デザイナーが設計したデザインの違い
上の画像はSNS広告を想定した、架空のバナーデザインです。
前提条件は以下のように設定しました。
- アイテムの種類:エイジングケア美容液
- 商品名:プレミアム美容液
- 容量・値段:30mL 7,980円(税込)
- 訴求成分:ナイアシンアミド、ビタミンC誘導体、レチノール、ヒアルロン酸
- ターゲット:ハリ不足やくすみが気になる40代女性
左はChatGPTが生成した画像を、アスペクト比を調整して
商品画像をはめ込んだだけのものです。
右は、ChatGPTが生成した画像をもとに、私がデザインを設計したものです。
AIが生成した画像は、そのままデザインとして使用するには、
いくつか問題点があります。
- 「何を伝えたい広告なのか」が一瞬で分からない
- 情報量が多く、どこを見ればいいか分からない
- すべての要素が同じ強さで主張しており、視線誘導がない
- テキストが背景に埋もれやすく、可読性が不安定
- 情報のグルーピングが曖昧で、理解に時間がかかる
- CTAボタンの存在感が弱く、行動につながりにくい
AI時代にデザイナーがしていること
右のデザインで私がしたことは、概ね以下の通りです。
- 情報の優先順位を整理し、グループ分け
- スマホの小さい画面でも見やすく整える
- CTAボタンを押しやすいサイズに変更
- 画面全体が明るく見えるよう、背景と人物を調整
- 薬機法・景品表示法を踏まえた表現になっているかを確認
こうした細かいところまでを、AIだけで作ろうとすると
逆に時間がかかってしまいます。
AIは素材づくりや大体のレイアウトを決めるところまでの活用とし、
最終的な調整は人間が行う方が、早くて確実です。
特に法律などの決まりごとは、AIに任せると抜けてしまうことがあるため、
人間のチェックが不可欠です。