50代で挑むモダンフレームワーク
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ここまでの道のり
この業界に入ったのは20年前。PHPとHTMLを学校で学び、インターンを経て就職。
デザイン会社数社に勤めながら、並行して個人事業でも制作を行ってきた。
私はデザイナー寄りのコーダーかつディレクターでもあるため、対応すべきことが多い。
コーディングをしながらイラストも描くし、折衝やスケジュール管理もある。打ち合わせのため出張にも行く。時にはデータベースを操作することもある。
必然的に学習時間は限られ、スキルアップしていくのはとても困難だった。
苦労して習得したActionscript3は、ほどなくFlashが終了したことによりゴミ箱行き。
以降、コーディングはHTML/CSS/Javascript(jQuery)が中心となった。
スキルアップを阻む環境
環境面でもスキル習得には不利な状況が続いた。巨大な銀行グループを担当していたため、自動的にクライアントが固定されてしまった。
閑散期にはいくつか新規のクライアント案件も担当したが、割合で言うと9:1。
銀行様の要件は明確だった。
・低予算短納期
・現状の構造を維持すること
・非エンジニアでも修正できること
・ハイパフォーマンスは求めていない
ファイルの運用保守は別のシステム会社が行っており、常に3社間で作業を進める。
同じファイルを他の制作会社が触ることもあり、作業前には必ずマージが必要。
ファイルは1つ1つ借出し申請が必要で、受領まで数日かかることもある。
このような環境で学習を進めるのはなかなか難しい。
初学段階で止まってしまうことが多く、いつも焦りを感じていた。
ピンチとチャンスはおててつないでやってくる
ある日唐突にそれは訪れた。
所属会社がWeb事業から撤退することになり、私も野に放たれた。
個人事業で若干の収益はあったが、大部分の収入を失うことになった。
急いで各種書類やポートフォリオをまとめ就職活動を開始。
52歳。子供は5歳。家事育児により時間的制約もある。再就職は厳しいものになることが予想されたが、長年の経験があるためどこか楽観的でもあった。
しかし現実はもっと厳しかった。
書類すら通らないことが多く、やがて2ヶ月が過ぎようとしていた。
これはまずい。ずるずると続けていたら資金が尽きてしまう。
…しかしまてよ?これだけ自由に時間を使えるチャンスはそうそうないぞ?
私は決断した。
活動を一旦ストップし、2ヶ月かけて中途半端だったスキルを習得しなおした。
そしてアップデートしたスキルセットでポートフォリオを作り直し、活動を再開した。
するとすぐに好意的な反応が得られ、次々と面接が決まっていった。
ReactとNext.jsとTypescript
習得にあったって、まずバックエンドは切り捨てた。
Laravelもある程度学習済だったけど、今回はフロントエンドに全振りすることにした。
VueもReactも少しは触ったことがあったので、Vueのほうが簡単なイメージはあった。
でも需要はReactのほうが上だと確信したため、少し難しいがReactの学習を進めた。
必然的にNext.jsとTypescriptが付いてくるので合わせて習熟していく。Typescriptはjavascriptのスーパーセットなのですんなり進められた。Next.jsは構造とインストール方法さえわかれば、中身はReactなのでそこまで難しくはない。
現在でも習熟度は70%ぐらいだけど、実務には充分だと思う。どんな言語でもそうだけど、100%覚えている人なんていない。都度調べながら作業しているはず。
今後はバージョンアップの変更点をキャッチアップし続けることが重要になるだろう。
年齢との折り合いの付け方
年齢によって能力が落ちることはない。落ちるのは体力と同時記憶量だけだ。
昔は2ヶ月間ずっと徹夜で作業することもあったが、現代では非現実的だ。なので体力面はさほど問題にならない。
同時記憶量に関しては対応が必要だ。つまりはタスクを絞る必要がある。
そのためにはまずタスクの整理をする。マルチタスクでやる場合には親和性の高いタスクを合わせるようにする。優先度を重視してスケジュールを組む。そうすればカオスな状態でパニックになることはない。
つまりは闇雲にやるのではなくしっかりコントロールすること。
結果として、業務遂行のレベルが上がる。
年齢による不利は、周りが思うほど大きくはない。幸いにも同じ認識をもっている企業様に出会い、無事再就職することができた。
モチベーションの炎は消えない
私には最強の再起動装置がついている。
中々うまく行かない時、大きな失敗をした時、不幸があった時、誰かに傷つけられた時。
モチベーションがダウンして動けなくなるシチュエーションはいくらでもある。
でもそんな時、保育園で頑張る我が子を見るだけで、エンジンは再始動する。
生まれてたった数年で、1日の大半を親から離れてひとりで頑張っている。
この子の笑顔を絶やさないように。辛い思いをさせないように。
そんな想いが、心のガソリンを沸騰させる。
子供を立派な社会人として送り出すその日まで、炎は力強く燃え続けるだろう。