「できない」の正体を、AIと一緒にほどいていく仕事
Photo by Van Tay Media on Unsplash
「これ、なんで出来なかったの?」
そう聞かれるたびに、頭が真っ白になっていた。
私は昔から、仕事の途中で何が起きているかを説明するのが苦手だった。
タスクの順番がわからなくなる。
電話が鳴るだけで、頭の中の予定が全部飛ぶ。
一度詰まると、何から再開すればいいのか分からなくなる。
周りからは、
「メモを取ればいい」
「慣れればできる」
「優先順位を考えて」
そう言われた。
でも、私にとって問題だったのは、やる気じゃなかった。
「何を・どの順番で・どこまでやったか」が、頭の中で崩れてしまうことだった。
そんな私にとって、生成AIは「仕事を奪うもの」ではなかった。
むしろ初めて、
自分の頭の中を一緒に整理してくれる存在だった。
私はAIを、
「答えを出す機械」として使っていない。
使っているのは、
- やるべき作業を分解する
- 順番を整理する
- 曖昧な指示を具体化する
- 混乱した情報を構造化する
- 今どこで止まっているかを言語化する
ためだ。
例えば私は、
「ニュースレターを作ってください」
と言われると止まってしまう。
普通の人には簡単な指示でも、私の中では、
- 何から始める?
- どこまで調べる?
- 文章は先?
- デザインは後?
- 途中で電話が来たら?
- 誰に確認する?
- どの状態になれば完成?
…と、一気に枝分かれしてしまう。
でもAIに、
「この作業を“実行できる単位”まで分解して」
と頼むと、頭の中の霧が晴れていく。
私はそこで初めて、動ける。
AIが得意なのは、整理・分解・記録・再構成。
人間が得意なのは、苦しさを知っていることだと思う。
私は、自分が何度も困ってきたからこそ、
「どこで人が詰まるのか」が見える。
だから最近は、
「混乱した仕事を、そのまま実行できる形に変換する」
ことに価値があるのではないかと思っている。
AIは万能じゃない。
でも、困りごとの翻訳機にはなれる。
以前の私は、
「普通にできない自分」を直そうとしていた。
でも今は違う。
AIを使うことで、
「どうすれば実行できる環境になるか」を設計するようになった。
これは単なる効率化じゃない。
働けなかった人が、働き続けられる形を作るということだ。
AIが普及して、
「人間にしかできないこと」がよく語られるようになった。
でも私は、
人間にしか分からない困りごとこそ、価値になると思っている。
私はAIに仕事を奪われたわけじゃない。
AIによって初めて、
「自分の苦手を説明できる仕事」に出会えた。
そして今は、
自分と同じように困っている人のために、
「実行できる形」を作るWebアプリを考えている。
誰かのできないを責めるのではなく、
環境ごと設計し直せるようなものを。
AIは、人を置き換えるものじゃない。
見えなかった困りごとを、
一緒に見つけてくれる存在だ。