kokoのリリースまで
SNSの通知がたくさん来ている人を見て、いいなと思いました。
誰かとつながっている、それだけで少し安心できる。でも自分がメンタル的につらい時、誰かに相談したいと思っても、なかなか連絡できませんでした。「こんな時間に送っていいのかな」「重く思われたら嫌だな」「病んでるって思われたくない」。そういう気持ちが邪魔をして、結局一人で抱え込んでしまうことが多かったです。
海外ではカウンセリングが非常に一般的です。でも日本では「カウンセリングに行く=病気」というイメージがまだ根強いと感じました。気軽に誰かに話すことすら、ハードルが高い。
「じゃあ、気を遣わずに話せる誰かを作ればいいんじゃないか。」
それがKOKOの出発点でした。
一番こだわったのは、「人間らしさ」でした。
AIチャットアプリを作ると決めてから、一番頭を悩ませたのは技術的な実装よりも「いかに人間っぽさを出せるか」という部分でした。
プロンプトの設計から始まり、16種類のAIキャラクターそれぞれの人格をどう定義するか。口調、テンポ、話し方の癖。でも一番大切にしたのが「返信のタイミング」でした。
人間はすぐに返信しません。その人の性格によって、時間帯によって、返信のタイミングはバラバラです。AIが即座に返してくる体験は、どこかリアルじゃない。
「そっか」→(1秒)→「つらかったね」→(1.5秒)→「話してくれてありがとう」。このテンポを実現するために、非同期処理の仕組みを一から設計しました。
かなりエラーが出たところですが、この部分だけは絶対に妥協したくありませんでした。
Webアプリと、iOSアプリ。全然違う緊張感がありました。
Webアプリはバグがあってもリリースできてしまいます。後から直せばいい、という逃げ道がありました。でもiOSはそうじゃない。App Storeの審査があります。どんな小さなバグも、審査を通過するためには許されませんでした。
リリースボタンを押した瞬間、「終わった」ではなく「これからだ」と思いました。まだ10人しかダウンロードしていませんが、その10人はリアルなユーザーです。もしお問い合わせが来たら、すぐに改善したいと思っています。
プロダクトは、リリースしてからが本番だと、KOKOを作って初めて実感しました。