ヘルプデスクのお話 その1
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第1回
IT知識ゼロ・自治体知識ゼロ。
そんな私が自治体システムのヘルプデスクに飛び込んだ結果
こんにちは、加納です。前回までは、異業種から集まった研究チームで生成AIと格闘し、MVPをいただくまでの怒涛の1年間をお話ししました。
今回からは、そんな私の「本業」である、現職のヘルプデスクのお仕事についてお話しします。
実は私、今の会社に入社する前は、ITの知識も、自治体の知識も、完全に「ゼロ」の状態でした。
■ 飛び込んだ先は、複雑怪奇な「自治体業務」の宇宙
私が担当しているのは、全国の自治体(役所)で使われている基幹システムのヘルプデスクです。 役所にたくさんの課や窓口があるように、システムが扱う業務も「住民税」「介護保険」「後期高齢者医療保険」「収納(税金や保険料の消し込み)」など、多岐にわたります。
入社当初は、専門用語もちんぷんかんぷんで、先輩たちが何を話しているのか聞き取ることすらできませんでした。最初に学んだ業務は「後期高齢者医療保険」についてでした。
核家族で育った私は、「後期高齢者医療制度とは何か」という、制度の本当に基礎的な仕組みを学ぶところからのスタートだったのです。
自治体のシステムは、単にボタンを押せば動くというものではありません。 「金額や件数が合わない原因の追究」「エラーや不具合の解析」「バッチ処理の複雑な条件設定」など、高度なロジカルシンキングとデータ調査の能力が求められる、想像以上にディープな世界でした。
■ 毎年の法改正と、油断できないOJT
さらにこの仕事を難しくしているのが、毎年のようにある「法改正」です。 保険料の計算方法が変わる、対象者の基準が変わる……。システムをサポートする側の私たちは、常に最新の制度を完璧に頭に入れておかねばなりません。
しかも、基本を勉強しただけでは通用しないのが現場のリアルです。 自治体によって運用のルールは全く異なりますし、役所側の担当者様も前任者からの引き継ぎが不十分で、システムの仕様が分からず困惑されているケースも少なくありません。
「やるべき処理を順番にやったか」「条件を間違えていないか」
同じエラー画面であっても、そこに至るまでの自治体ごとの状況は千差万別。まさに毎日がリアルなOJTで、一瞬も油断できない緊張感がありました。
■ 覚えることは無限。だからこそ、面白い
システムのこと、自治体の法律や業務のこと。覚えることは無限にあり、最初は不安で押しつぶされそうになることもありました。
しかし、必死に知識を吸収し、複雑に絡み合った事象の原因をパズルのように紐解いていくプロセスは、私にとって大きな充実に変わっていきました。IT知識ゼロから始まった私のヘルプデスク生活。それはやがて、お客様から特別な信頼をいただける、かけがえのない経験へと繋がっていきます。
次回は、そんな私がお客様との間に築いた「信頼関係」と、担当者を巻き込むために私が取った「ある大胆なコミュニケーション戦略」についてお話しします。