【3問目】「いきなり作らない」という進化。データから真のボトルネックを暴く
脳トレを重ねるごとに、思考のステップが着実に身についているのを感じます。第3問目となる今回のお題は、地方のスーパーマーケットが抱える、セルフレジ導入後のトラブルでした。
【お題:スーパーのセルフレジ改善】
セルフレジを導入したものの、「高齢者からのクレーム」「店員の呼び出し」「レジ待ち時間」が改善しない。社長は「生成AIで何とかしたい」と言うが、「スマホなし」「増員不可」「低予算」という厳しい制限がある。どう解決するか?
解決策に飛びつかず、まずは「データ分析」から
今回、私が着目したのは社長の「生成AIを活用した企業になりたい」という意図を汲み取ること、そして限られた予算と人員の中で動くことでした。
以前の私なら、すぐに「レジ横に高齢者向けのAI案内ロボットを置きましょう!」と提案していたかもしれません。しかし、今回は違いました。解決策に飛びつく前に、まずは生成AIを使った「現状の正確な把握」から着手したのです。
具体的には、店内の記録用カメラやレジのデータをAIで分析し、曜日や時間帯ごとの「利用者層のクラスタ化(分類)」を行います。さらに、商品の点数に対してセルフレジでの決済にどれだけ時間がかかっているかをAIで測定します。
この2つのデータを掛け合わせることで、「どの時間帯に、どんな人がつまずいていて、どこでレジ待ちが発生しているのか」という真の原因を特定しようと考えました。その上で、混雑が予想される時間帯へ、品出しなどの他業務のスタッフを「再配置」してシフトを最適化する、というアプローチを取ったのです。
ChatGPTの評価と、実務で差がつく「社長へのもう一押し」
この提案に対してChatGPTは、「解決策の前に、まずデータを見て原因を特定しようとする姿勢が素晴らしい!」「AI=会話だけでなく、AI=データ分析という実務に即した使い方ができている」と、私の思考の進化を大きく褒めてくれました。
しかし同時に、ビジネスの現場ならではの鋭い突っ込みも受けました。
「分析した『その後』、具体的にどう社長の願いを叶えますか?」
確かに、原因を特定したところで思考が止まっており、「生成AIを活用して現場を劇的に変える」という、社長の想いに応える具体的なアクションがもう一歩足りていませんでした。さらに「店員は増やせない」という前提ルールに対し、「配置を厚くする」という表現を使ったことで、面接官(社長)から「人員は増やせませんよ?」と突っ込まれる隙を作ってしまったのです。
実務として提案を完璧にするなら、「人員を増やすのではなく、他業務の配置時間を調整する」と言い換えた上で、特定した課題に対して以下のような「人を増やさないAI施策」をセットで提示すべきでした。
- 高齢者がつまずく時間帯だけ、レジ横に設置したスピーカーから、AIが会話形式で次の操作を優しく教える「音声案内」を導入する。
- AIによる問い合わせ内容の分析結果を基に、高齢者が誤操作しやすいレジ画面のボタン配置そのものを改善する。
脳トレを終えて:課題解決の「プロの型」が馴染んできた
今回のセッションで、私の中に「まず観察し、データを見て、仮説を立てる」という、コンサルタントやカスタマーサクセスに必須の思考の癖がついてきたことを実感しました。
思いつきのアイデアを出すのではなく、限られた予算の中で最大の効果を出すために、AIをどこに組み込むべきか。
一年前の自分であれば、ただ「ユーザーが困っているから助けなきゃ」と視野が狭くなっていたはずです。しかし今の私は、経営層の視点と、現場の制約を両睨みしながら考えられるようになってきました。自分でも驚くほどのスピードで、思考の引き出しが増えています。
(4問目へ続く)