生成AI活用法脳トレ 8問目
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【8問目】「イケてる会社」に見られたい。顧客体験を壊さない、攻めの社内業務改革
ビジネス脳トレ第8問目のテーマは、これまでの「困っている現場の救済」とは全く異なる、きわめて特異なシチュエーションでした。会社に明確な課題がないにもかかわらず、社長が「AIを導入したい」と言い張るケースです。
実務の現場でも意外と多く存在する「他社への焦燥感」から生まれるオーダーに対し、AIベンチャーのCS(カスタマーサクセス)としてどう立ち振る舞うかが試されました。
【お題:中堅不動産会社のAI導入】
社員120名。売上・人員・顧客満足度・離職率のすべてが良好。しかし、競合が「AI物件提案」などの宣伝を始めたため、社長は「遅れたくない、AIでイケてる会社に見られたい」と焦っている。予算500万円、現場を混乱させず、売上への悪影響を出さずに満足してもらう提案とは?
「AIが欲しい」のではない、社長の本音を見抜く
売上も満足度も順調なこの会社において、下手に顧客向けの「AI自動物件提案アプリ」などを低予算で半端に作ってしまえば、かえって顧客や現場の営業スタッフを混乱させ、築き上げてきたブランドを傷つけるリスク(売上への悪影響)があります。
「しょぼいシステムを作ってお客様を混乱させ、すぐに引っ込めることこそが、はたから見て一番『ダサい』のではないか」
私は、社長が本当に欲しているのは「AIという技術そのもの」ではなく、「他社に遅れていないという安心感や、会社の先進性(ブランド)」であると見抜きました。
そこで、顧客向けのシステム開発というリスクを「あえて避ける」判断をしました。社長の「AIを使っている先進的な会社だと思われたい」という強い願望を叶えつつ、現場を絶対に混乱させない方法として、私は「社内業務のAI改革と、その社外発信(PR)」を提案したのです。
ChatGPTからのフィードバック:経営者心理を読んだ見事な着地と、面接官を納得させる「もう一押し」
このアプローチに対し、ChatGPTは「顧客の言葉をそのまま受け取らず、経営者心理の裏にある本音を読めている。100点満点中90点に近い!」と大絶賛してくれました。
今の顧客体験を壊さずに安全に成功を収めるための、まさにプロのCSの手法です。しかし、面接や実際の提案の場で「100点」を掴み取るためには、もう一つのステップが必要でした。
「『では、具体的に何から始めますか?』という一歩先の実装案を提示すること」
「社内業務の改善」という方向性までは良かったのですが、その先の具体的な武器の提示がまだ曖昧でした。もしここで、以下のような「小さく始めて大きなインパクトが出る施策」を現時点で1つでも言い切れていれば、さらに強力な提案になっていました。
- 「まずは、営業スタッフの『提案書作成』や『議事録作成』に生成AIを導入し、作業時間を50%削減します」
- 「その上で、『当社ではAIを活用した業務改革を推進し、創出した時間でさらに手厚い顧客対応を実現しています』というストーリーをWEBメディアや採用広報で発信しましょう」
これなら、失敗リスクを最小限に抑えながら、「AIを活用する先進的な企業」としてのブランドを社外に力強くアピールでき、社長のプライドと安心感を120%満たすことができます。
脳トレを終えて:顧客の「真のニーズ」に寄り添うということ
今回のセッションで、自分の中にまた新しい引き出しが増えたのを感じました。
「AIを導入したい」という顧客に対し、「本当に導入すべきか?」、そして「顧客が本当に求めている果実は何か?」を問い直す力。これは、最新のAI機能をいくつ知っているかということよりも、カスタマーサクセスとして遥かに重要なスキルです。
相手の言葉を鵜呑みにせず、その裏にある感情や経営課題を汲み取り、最も安全で効果的なロードマップを敷く。この「人間を見る力」をベースにした業務設計の型が、自分の中に完全に定着してきました。
(9問目へ続く)