琥珀色の望遠鏡と、潮風の蓄音機
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こんにちは!鴨川宗平です。
夕暮れ時のスタジオで一人、編集モニターを見つめていると、ときどき自分が古い潜水艦の窓から深海を覗き込んでいるような不思議な心地になることがあります。 モニターに映し出される映像の断片は、クライアント様が大切に育ててきた情熱や、まだ誰にも知られていない企業の種火のようなものです。 それらを丁寧に掬い上げ、光の筋を当てていく作業は、暗い海の底で忘れ去られた真珠を探し出す冒険に似ています。 映像制作という仕事は、ただ記録することではなく、そこにある「まだ見ぬ価値」を可視化することなのだと、僕は信じています。
先日、海辺の街を歩いていたとき、潮風に吹かれて静かに回る錆びた風車を見つけました。 それはもう電気を作る役目は終えていましたが、風が吹くたびにキーキーと小さな声を上げ、見えない空気の流れを僕たちに教えてくれていました。 僕が目指す映像の役割も、この風車に近いのかもしれません。 企業の中に流れているけれど目には見えない「想い」という風。 それをキャッチして、映像という形で力強く回し、周囲にその存在を知らせるための目印でありたいのです。 「何が良いのか言葉にできない」というクライアント様の熱量を、誰が見ても心が動く回転へと変換していく。 そのプロセスこそが、僕というクリエイターの存在意義だと感じています。
ふとした瞬間に、幼い頃に大切にしていた琥珀色の望遠鏡を思い出しました。 そのレンズを通して覗く世界は、どこか温かく、遠くの景色がまるで手に取れるほど近くに感じられたものです。 映像における「企画」という作業は、まさにこの望遠鏡のピントを合わせる行為に他なりません。 どんなに素晴らしい機材を使っても、どこを目指し、誰を映すべきかのピントがぼやけていては、心には届きません。 僕は、クライアント様と一緒にこの望遠鏡を覗き込み、目的地を共有し、視聴者の心が一番震える距離感を探り当てたいと思っています。
作業が煮詰まった夜、僕はよく古い蓄音機から流れるような、少し掠れたジャズを聴きます。 音の合間に混じるパチパチというノイズは、完璧に整えられたデジタルサウンドにはない、言いようのない安らぎを僕に与えてくれます。 映像制作においても、この「ノイズ」や「余白」を僕は大切にしています。 すべての情報を説明し尽くすのではなく、あえて語らない部分を作ることで、見る人の想像力が入り込む隙間を残す。 その隙間にこそ、共感や信頼という感情が宿るのだと思うのです。 整いすぎた美しさよりも、血の通った「人間味」が溢れ出すような編集。 それが、僕が提供したい映像の質感です。
ある撮影現場で、一輪の野花がコンクリートの隙間から力強く咲いているのを見つけました。 周囲の喧騒に惑わされることなく、ただひたすらに光を求めて背を伸ばすその姿に、僕は映像制作の原点を見た気がしました。 企業VPであれSNS動画であれ、根底にあるべきなのは「なぜこれを届けたいのか」という純粋な生命力です。 僕は、そのひたむきな眼差しを一番いい角度で切り取り、世界中に向かって鮮やかに開花させるお手伝いをしたい。 派手な演出で飾るのではなく、その人が持つ本来の輝きを引き出すこと。 それが、僕がカメラを構えるときの誓いです。
フリーランスという道を選んだのは、一人ひとりのクライアント様と、より深く、より柔軟に向き合いたいと考えたからです。 それは、潮風に吹かれながら航路を決める船乗りのような毎日ですが、自分の手で羅針盤を回し、新しい物語を編み上げていく喜びには代えられません。 銀河のように広がるビジネスの海で、あなたの想いという星が最も輝く瞬間を、一緒に見つけに行きませんか。
「どう見せればいいかわからない」 そんな真っ白な地図を抱えた状態でも、全く構いません。 あなたの心の中にある、まだ形にならない熱い想いを、僕に聞かせてください。 琥珀色の望遠鏡を共に覗き込み、潮風の蓄音機が奏でるような温かい物語を、一緒に作っていけることを楽しみにしています。