見積もりの打ち合わせで、「途中で作り直しになったら、その費用はどうなりますか」と聞かれることがあります。切り出しにくそうに尋ねられる方が多いのですが、発注する側にとっては当然の疑問だと思います。
作り直しの原因は一つではありません。聞き取った内容を書き違えた、そもそも聞き漏らした、というのが一つ。発注側の業務のやり方が途中で変わった、法令や連携先システムの仕様が変わった、というのは別の原因です。現場では当たり前の暗黙のルールが、仕様を固める段階で誰の口からも出てこなかった、という場合もあります。
難しいのは、これらが混ざることがある点です。契約書に負担の考え方が書かれていないと、請求書が出てから初めて「どちらの責任か」の話し合いが始まります。事前に線を引いていないこと自体が、関係を悪くする原因になりがちです。
私たちが上流で気をつけているのは、まず原因を減らすことです。仕様確定フェーズで要件を整理し、確認した内容は書面にして共有します。聞いたこと、決めたこと、まだ決まっていないことを分けて残します。開発に入ってから要望が変わった場合は変更として扱い、書面の見積もりをお出しして、ご承認をいただくまで着手しません。
では、残った手戻りの費用は誰が持つのか。ここで私たちの側から「こちらが持ちます」「そちらです」と言い切ることは、控えます。費用の分け方は、原因の判定のしかたとセットで、双方が合意して契約に書くものだと考えているからです。
発注される際は、どの会社が相手でも、次の点を聞いてみてください。原因を誰がどう判定するのか。判定の根拠になる記録は残っているのか。書面の確認が残っていれば、立ち止まって事実を見返せます。
この線引きを、発注前にどこまで決めておけると安心できますか。よければコメントで教えてください。