私は、あの日の自分を忘れない
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幼い頃、私は『デジモンアドベンチャー』というアニメに夢中でした。
見知らぬ世界へ飛び込み、仲間を信じて困難に立ち向かう子どもたちの姿から、私は一つのことを学びました。
「勇気とは、怖くないことではなく、怖くても一歩を踏み出せること」。
その言葉は、何年経った今でも、私の人生の支えになっています。
2019年、私はほとんど日本語が話せないまま、たった一人で日本に来ました。知り合いもなく、あったのは「自分の人生を、自分で選びたい」という思いだけでした。
実は、日本へ行くことを家族は強く反対していました。言葉も通じない遠い国で、本当にやっていけるのか。今思えば、それは私を心配する家族なりの愛情だったのだと思います。
それでも私は、自分の人生を自分で切り開きたいという気持ちを捨てることができませんでした。だからこそ、幼い頃に学んだ「怖くても一歩を踏み出す勇気」を信じ、日本へ渡る決断をしました。
飛行機を降りたあの日のことを、今でもよく覚えています。期待と、それと同じくらいの不安が、同時に押し寄せてくる感覚。新しい場所へ一歩踏み出すとき、人の心の中では、ワクワクと小さな不安がいつも隣り合わせなのだと、身をもって知りました。
日本語学校で最初に分けられたクラスは、下から二番目でした。それでも「ここからなら基礎を積める」と前向きに考え、コツコツ学び続けた結果、日本語能力試験N1を取得しました。
来日してからは、製造業の品質検査、不動産営業、空港業務、そして現在のビザ申請業務と、さまざまな現場を経験してきました。
どの現場にも共通していたのは、言葉や手続き、システムの前で不安そうにしているお客様の存在です。
そんなとき、私はいつも、あの日の自分を思い出します。
言葉が分からない不安。
制度が分からない不安。
初めての環境に飛び込む不安。
それらを自分自身が経験してきたからこそ、お客様の「言葉にならない不安」を丁寧に聴き取り、その人にとって本当に良い案内をすることを大切にしてきました。
国境を越えて苦労した経験があるからこそ、不安な人の隣に立てる。それが、私の一番の強みだと思っています。
現職では、誰かに言われたからではなく、自ら現場の課題を見つけ、対応フローを見直し、対応時間を約70%短縮したこともあります。
「もっとこうすれば、お客様も自分たちも楽になる」
そう考えながら改善を重ねることが、私は好きなのだと思います。
ここまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。たくさん回り道をして、たくさんの壁にもぶつかりました。
それでも、そのたびに環境に向き合い、自分なりの答えを探しながら、一歩ずつ前に進んできました。
私は、不安を抱えながら新しい一歩を踏み出す人の力になれる仕事を続けたいと思っています。かつて、日本に来たばかりの私がそうだったように。
言葉や制度、文化の違いに戸惑う人の隣に立ち、その人が安心して前へ進めるよう支えること。
それが、私がこれからも大切にしていきたい仕事です。